不登校は、どんな子どもにも起こりえますが、発達障害のある子どもたちの方が学校生活で困難が生じやすく、不登校になる割合が高いと見られています。
発達障害のある子どもたちにおける不登校の割合は、低いもので5%前後、多いもので40%以上に達する調査結果が出されています(加茂・東條, 2010)。
小・中学校の子ども全体を母数としたときの不登校の割合は1.9%(文部科学省, 2020)であることから、低く見積もったとしても、発達障害の子どもたちの方が不登校の割合が高いことは明らかだといえるでしょう。
不登校と発達障害の重複割合は?医療機関・教育機関の調査・統計から見える傾向
Branchオンラインコミュニティの保護者の声を元に、どんなタイプの子どもがどんな原因で不登校になりやすいのか、その後のサポートの方法や仲間とのつながり方についてまとめました。
不登校児6つのタイプ
どんなタイプの子どもが不登校になりやすいのか、体験談をもとに6つに分類して紹介します。
不安過剰タイプ
・人が怒られているのを見るのもつらい、上手くやらなければと過度なプレッシャーを感じる、過剰適応して疲れてしまう
・嫌な記憶がトラウマとして鮮明に残ってしまいやすい子→怒鳴られた一度の経験で学校に行けなくなる、など
感覚過敏タイプ
・音、におい、視覚情報が多い、人が多い、などの刺激がつらくて学校に行けなくなる
・またこうした感覚過敏によるストレスを軽減するために、学校に支援を依頼するが(イヤーマフをつけさせてほしいなど)断られてしまい、そのことが原因で学校に行けなくなるという場合も
学習速度が合わないタイプ
・ギフテッドや、知能の個人内差(凸凹)が大きい子→分かりきっていてつまらない授業がある一方、処理しきれなくて分からない授業がある、自分に合ったステップで学べず楽しくない、苦痛。吹きこぼれタイプ。
・逆に、学校の勉強についていけないことが原因になる場合も。受験勉強を始めた周りの子と自分を比較して落ち込み、不登校になることなど。
マイペースタイプ
・自分の興味やこだわりが強く、集団行動や時間割に合わせるのが極度なストレスになる子
・例えば「手を上げて答えてください」と言われても、手を上げずにすぐに答えてしまう、など、周りのペースに合わせるのが難しいタイプ。
人間関係トラブルタイプ
・他者とのコミュニケーションや感情のコントロールが難しく、同年代の子とトラブルが起きる
・友達になりたいのに上手く関係を築けない
いじめ被害タイプ
・特に小学校高学年以降〜中学生はこの理由が多い。学校内でのいじめが原因で不登校になるタイプ。
「学校行きたくない」と言われた時に、絶対にやってはいけないこと
いまだに日本社会では「学校には行くべきだ」という認識が根強く、子どもが不登校になったとき、「無理して引きずってでも学校に連れていく」というご家庭が後を絶ちません。
お子さんが「学校行きたくない」と言ったとき、絶対に無理な登校刺激をしてはいけません。
よく言うんですけど、登校渋りっていうのは子どもさんにとってはもう「学校に行きたくない」の最終段階なんです。
「学校に来れば元気ですよ」は、そのまま行かせて大丈夫?:登校渋りは子どにとっては「学校に行きたくない」の最終段階 – 本田秀夫先生インタビューより
親御さんからすると問題の始まりに見えるけれど、これは子どもさんから見ると問題の最終段階で、「行かなくなった」というのは「“学校に行く自分”っていう人生を捨てた」という、もう最後の段階です。
正直、この段階から頑張ってなだめすかして行かせてたらそのうち行けるようになったっていう人はあまりいないので、無理なさらない方が良い気がしますね。
どんな対応をするといい?
ここからは、とあるお子さんが不登校になってからの回復のプロセスを紹介します。
不登校になった経緯「服が着れない」
「不登校になる前の段階として、不安が強くなると『洋服が着られなくなる』という症状が出るようになりました。児童精神科に通院し、不安が強い部分に対してお薬を出してもらっています。
症状が出始めた時点では、息子も『洋服が着れたら学校に行けるのに』と言っていたんです。私はその言葉を鵜呑みにして、一生懸命洋服を着せて学校に行かせようとしていました。
ある日、洋服は着れちゃったので「学校に行けるようになったね」って何気なく声をかけたら、逆に行き渋りが始まって……。10分-15分で歩ける登校路に3時間ぐらいかかっちゃったりとか、学校に行っても保健室にしかいられないとか、そういう状態が続いて、最終的に「もう行くのやめよう」と決めて、不登校になりました」(以降、引用部分は保護者さんのお話より)
日頃のストレスが「服が着れない」という身体症状に現れました。
その後、様々な経過を経て、徐々に回復に向かっていきます。
どこから回復に向かったか「仲間がいることに気づけたのが第一歩」
「まずやっぱり『仲間がいる』っていうことに気付けたのが本当に大きかったです。それが一歩目だったと思います」
Branchのオンラインコミュニティを通じて、仲間ができたお子さん。
そこから不安障害の症状は徐々に無くなっていきました。
どのように不登校の仲間を作るか?
ここからは実際にどのように不登校仲間を作っていったかを紹介します。
オンラインイベントで知り合う:一人じゃないと知れた
不登校になってからはなかなか外に出られないことも多いと思います。
フリースクールに通える場合は良いですが、難しい場合はオンライン上で仲間探しするのも手です。
Branchオンラインコミュニティでは、子どもの部活動に合わせて、オンラインイベントを実施しています。
上記のお子さんは、マインクラフトやフォートナイト、現在はApex Legendsやロブロックスというゲームの部活動を通じて「他にも同じような仲間がいる」と知ることができました。
オンラインシェアハウスのように遊んでいる:仲間ができる
その後、オンラインイベントで知り合った子と自分たちで別のサーバーを立てて、今は「オンラインシェアハウス」のような状態で常に通信をしながら過ごしています。
一緒にゲームすることもあれば、最近知った新しい遊びや動画などをシェアしたり、一人になりたい時は通信を切って一人で遊びます。
どのように子どもが変化したか
その後、お子さんにどのような変化があったでしょうか。
「一歩目で仲間とつながり、徐々に心が安定してきた後に、今見ていて感じるのは、少しずつ『自分を理解しようとしている』のかなということです。
例えば『これ以上やるとストレスがかかる』とか、そういう自己理解が進んだことだったっておっしゃってましたよね。
それが最近すごくよく分かるというか。今こうやって落ち着いてきて、リアルの友だちと『この子と遊ぶのは楽しいけど、これ以上遊ぶと多分疲れる』とか、ネット上でも『これ以上遊ぶと疲れるから一歩引く』とか、『これは僕は苦手だから』とか、そういうことが少しずつ腑に落ちていっている段階なのではないかなと思います」
メンタルが回復した後に、徐々に自己理解が進んでいます。
最後に
お子さんが不登校になった直後は、保護者の側もパニック状態になってしまうことは無理もありません。
それでも、どうか「子どもが一番傷ついている」ということを認識して、登校刺激はせず、お子さんのメンタルが回復するように努めていただければと思います。
お子さんが回復に至るまでは色々な方法がありますが、「仲間がいることを知る」ことは、学校という所属場所が無くなった後のお子さんにとっては救いの手になります。
「ここだったら自分の居場所がある」と、不登校のお子さんでも思える居場所やコミュニティを探しましょう。
現代は、お子さんが所属できる居場所 / コミュニティをオンラインで探すことも容易になってきています。また、場所や時間の制約がなく参加できるオンラインコミュニティの特徴は、子どもにとっても保護者にとっても通い続けやすいメリットと言えるかもしれません。
発達障害や不登校の子の「友だちができる。安心できる居場所」とは?
Branchでも1つの解決策として、不登校・発達障害があるお子さま向けの「学校外で友だちができる」Branchコミュニティを運営していて、以下のような特徴があります。
- 同じように「学校行きたくない」という気持ちを抱え、家族以外の人との関わりが減ってしまった不登校のお子さま達が自分の「好きなこと」をきっかけに安心できる居場所や、友達ができるようなサービス。
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もあり、サービス継続率は約95%以上。
- 小学校低学年のお子さまはもちろん、どんな子でも楽しく参加できるようにスタッフがお子さま一人ひとりに寄り添ったサポートを徹底。
Branchコミュニティは1ヶ月無料体験ができるので、ご利用を迷われている方は一度お気軽に無料面談予約をお申し込みください。
その他にも不登校に関する記事を書いています。
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