子どもたちに大人気のオンラインゲーム「Mincraft(マインクラフト。以下、マイクラ)は、「学習やコミュニケーションのツールにもなる」「子どもの成長に良い面、メリットもある」という話もよく耳にします。実際に子どもたちが遊ぶ中で、どのような学びが起こっているのでしょうか?
Branchオンラインフリースクールでは、子どもの好きなことを通した「部活動」を行っています。
その中でも「マイクラ部」は一番人気!
毎月のオンラインイベントでは、子どもたちがマルチプレイで同じワールドに入って遊び、スタッフがコミュニケーションをサポートしています。
また、いつでもつながれるチャット上では、子ども同士で作品を披露したり情報交換したりして、「次はこれをやってみよう!」という意欲にもつながっています。
今回は、マイクラ部の活動の様子を紹介し、スタッフや保護者から見た子どもたちのポジティブな変化についてまとめていきます。
マイクラ部:イベントの様子
Minecraft 統合版
子どもの希望に応じて、「サバイバルモード」と「クリエイティブモード」の2チームに分かれて取り組みます。
サバイバルモードでは、一応「みんなで村を作ろう」と目標を立てて遊んでいるのですが、あくまでゆるい目標。やりたいことをやってももちろんOKです。
クリエイティブモードでは、それぞれ自分の思い描く作品をつくりつつ、他の子の途中経過を見に行ったり、時には協力して建築したりしています。線路やアスレチックなど、みんなが遊べる場所をつくる子もいます。
みんなが同じ空間にいて、それぞれが自分のペースで過ごし、必要であれば誰かとコミュニケーションを取る。
「〜しないといけない」という世界観はここにはないので、子どもたちはいつも居心地よさそうに過ごしています。
Minecraft JAVA版
Modがほとんど入っていないサーバーと、Modをたくさん入れたサーバーの2種類があり、JAVA版初心者も、より深めたい子も、選んで参加することができます。
イベント以外の時間でもサーバーに入れるので、子どもたちが自由に探索したり建築したりしています。
Branchランド:YouTube配信
マイクラ内で「Branchランド」というテーマパークを、子どもたちとスタッフで協力しながらつくっていく様子を配信しています。
子どもたちにとっては「配信する」ということがモチベーションとなり、集団での遊びに入っていくきっかけとなることも多いです。
マイクラ部:チャットで学び合い
マイクラ部のチャット上では、分からないことを質問するとこんな風に他の子どもが答えてくれます。
自分の作品を投稿すると「✨」「👍」などのリアクションスタンプやコメントがもらえて、自信がつき励みになる様子です。
また、他の子の作品を見ることで刺激を受け、自分でもやってみようという意欲や新しいアイディアが生まれています。
Modや別ソフトを使ったレンダリングなどについても、子ども同士で情報交換が行われ、大人顔負けの専門知識が飛び交っています。
メンター/スタッフが感じた子どもたちの変化
私自身(スタッフ:小堀)は、統合版イベントのクリエイティブチームをサポートしたり、小学校低学年向けの親子マイクライベントを担当したりしています。
また、Branch roomでお子さんと1対1で一緒にマイクラをプレイすることもよくあります。
その中で特に感じるのは、人前では緊張してしまうとか、口語でのやり取りが苦手というお子さんも、マイクラ内では相手に質問や依頼をスムーズにできるということです。
場面緘黙のある子でも、大好きなマイクラのことだと知識を饒舌に話してくれることもあります!
また、オンラインでの関わりだと、チャット上で自分のタイミングでコミュニケーションを図れることも安心感につながるため、大きなメリットだと感じています。
イベントを担当するメンターおふたりにも、お話を聞いてみました!
わっきー(統合版イベント担当)
サバイバルモードを遊ぶメンバーは、アイテムは完全に自分で収集して自分で管理する形式です。
そのため参加している子がアイテムがなくて困ったりした際に友達同士で助け合いが生まれています。
例えば「○○持っていて余ったからだれかいる人いるかなー」と自分から周りの子に声をかける子もいれば、「●●がないから誰か持っているいないー?」「□□ってどうやって作るんだっけ?」などのヘルプ要請を自分から出して、周りの子がさりげなくそれに答える、そんなことがたくさん起こっています。
ゆっち(JAVA版イベント担当)
私は、このような子どもたちの変化を感じました。
- Modに興味を持ち、自分で色々調べるようになった。
- 初対面でもマイクラの中で協力して一緒に遊んでいる。
- 人との関わりが少なかった子が、マイクラ部イベントで自分のワールドにみんなを呼びたいと言ってくれた。
「一緒にプレイする楽しさ」や「新しいことができるようになっていく面白さ」を味わう体験を通して、子ども自らが積極的に探求したり、人と関わって役割を担ったりする様子がみられています。
保護者が感じたわが子の変化
Branchオンラインフリースクールを利用されている保護者のみなさんに、マイクラにまつわるお子さんのエピソードをお聞きしました!
友達とつながることができる
- 仲間ができました!
- 不登校になってから、「子どもは嫌いだから大人と遊ぶ」と言っていましたが、マイクラを始めてからいつのまにか子ども同士でケラケラ笑いながら遊んでいます。
- マイクラをきっかけに話の合うお友達が出来ました。うちの子は大人が相手でないとコミュニケーションが取れなかったのですが、同年代の子たちと遊ぶ楽しみを知る事が出来たようです。お互いの状況を報告し、相談しながら助け合うこと、そして喜びを分かち合うことの嬉しさを経験出来たのもマイクラのおかげだと思います。
- マイクラを通して友達ができたり、人に教えてもらったりという機会もできました。
- Modを入れるのに色々調べて試行錯誤していました。結局自力ではできず知り合った子に教えてもらい、その子を「師匠」と慕っています。
不登校の子どもが充実して過ごせる
- 今までで一番長く飽きずに続けているので、昼間に自宅でやることができたというのが最も良かったことです。
また、Branchのマイクラ部のイベントに参加することが、貴重なコミュニケーションの場になっています。
Branchでは、不登校・発達障害があるお子さま向けに、安心して過ごせる居場所として、「学校外で友だちができる」オンラインフリースクールを運営しています。
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自信がつく:好きなことが「得意」や「役割」になる
- 親が一番嬉しかったことは、2歳離れた兄にマイクラを教える機会があり、自信になった事です。
どのゲームでも兄にはなかなか勝てないんですね。ですが、久しぶりにマイクラをプレイした兄が、弟に「どうやるんだっけ?」と質問しました。それから、「ここはこうやるんだよ」とレクチャーする機会が増え、兄にも「よく覚えてるなぁ」と言われて嬉しそうにしています。自分にも得意なことがあるんだ、人の役に立てた、と誇らしげな姿を見ることができました。
コミュニケーションが豊かになる
- 初期の頃は家族でマイクラをやっていたので家族とのコミュニケーションツールにもなりました。
- 友達と遊ぶツールができました。
一人や家族とだけ遊んでいたときと比べて「何して遊ぶ?」「すごいね!」「ありがとう」「協力してアレを作らない?」「一緒に敵を倒そう!」など、他者を意識できるようになりました。 - オンラインコミュニティ上の会話で、自分の意見を主張をしたり、教え合ったり、相手に譲ったり、コミュニケーション能力も磨いているようです。
自己コントロール力が身に付く
- YouTubeで見た建築や装置を自作することで、試行錯誤する力が身につきました。最初の頃は、うまくできないと癇癪を起こしたりパニックになったりしていましたが、マイクラを始めて丸4年経ち、失敗したときのリカバリー法や気持ちの立て直し方を、自分なりの方法で獲得してきているように思います。そんな息子を、今はとても頼もしく感じています。
知識や学びが深まる
- 我が家はJAVA版と統合版とどちらも楽しんでいます。キーボード入力、アルファベットを覚えたなど、PC周りの知識を獲得するきっかけになったのがマイクラかなと思っています。
- チャットやコマンドを入れるためにタイピングができるようになりました!
- パソコン操作に興味があり、「タイピングを早く打てる人がかっこいい」「自分もそうなりたい」と話しています。
- 建築に関心を持つようになりました。気に入った動画の真似から始まり、自分で設計、建築もよくやっています。
- 鉱石に詳しくなりました!
- 先を見通して必要な手順を考えるスピードが上がりました。「○○を作りたい」「それを作るには△△が必要」「△△を作るには木材と石が必要」など、数段階の手順をあっという間に考えています。
いかがでしたか?
これからも、子どもたちと一緒に「好き」を深め、つながりを大切にしていきたいと思います!
Branchオンラインフリースクールは1ヶ月無料体験ができるので、ご利用を迷われている方は一度お気軽に無料面談予約をお申し込みください。