こんにちは。不登校や発達障害のお子さんと保護者さんのための居場所、Branchコミュニティです。
「朝になると体が動かない」「何もする気が起きない」など、お子さんの無気力な様子を見て心配されている保護者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、無気力型の不登校について、お子さんと保護者さんに寄り添った対応方法をご紹介します。
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無気力型の不登校とは、心や体のエネルギーが低下して、長い時間無気力で、学校へ行く気持ちを失ってしまう状態のことです。
特に「朝起きられない」「何もしたくない」といった様子が見られ、本人の意思というよりも、たくさんの疲れやストレスが重なった結果として起こることが多いんです。
周りの人からは「怠けているのでは?」「甘えているだけでは?」と誤解されてしまうこともありますが、実は心からのSOSのサインかもしれません。
無気力型の不登校の特徴
朝になると体が重たく感じて、何をするにも気持ちが乗らない状態が続きます。
以前は楽しんでいた趣味にも興味が持てなくなったり、昼夜が逆転した生活リズムになったりすることもよくあります。
こうした状態は、一時的な疲れとは違って、長く続くのが特徴です。
親御さんが「どうしてやる気が出ないのかな」と心配されても、お子さん自身も「どうしてこんなに気力が出ないのかわからない」と感じていることが多いです。
文部科学省の調査
令和4年度の文部科学省の調査によると、不登校の理由として「無気力、不安」と回答した小中学生の割合は51.8%もあり、全ての選択肢の中で1位です。
不登校の理由は1つではなく、学業不振、人間関係の悩みなど、いくつもの要因が重なっていることが多いのですが、それでも「無気力型の不登校の子どもは多い」と言えるでしょう。
参照:令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
無気力型の不登校になる原因とは?
無気力型の不登校は、単なる「やる気がない」という問題ではなく、いろいろな要因が絡み合って起こることが多いです。
学校でのストレスや発達障害の特性、家庭環境や進級による環境の変化など、さまざまな影響が重なることで、心のエネルギーが限界に近づき、何をするのも面倒に感じてしまう状態になるんです。
学校生活での過度なストレス
学校では友達との関係や成績、部活動など、たくさんのストレスを感じることがあります。
例えば、クラスメイトとの関係がうまくいかなかったり、先生からの指導が強すぎると感じたりすると、いつも緊張した状態が続いてしまうことも。
また、勉強が苦手で「テストの点数を上げなきゃ」と常に焦りを感じていたり、部活動での人間関係や成績重視の雰囲気に疲れてしまったりすることもあります。
そうしたストレスが積み重なると、朝起きること自体に大きな負担を感じるようになり、「学校に行かない方が楽」と感じ始めるのかもしれません。
発達障害との関連性
ADHD(注意欠如・多動症)やASD(自閉症スペクトラム)などの発達障害があるお子さんの場合、普段の学校生活でより大きな疲れを感じやすい特徴があります。
例えば、ADHDの特性があるお子さんは、集団生活で求められるルールや空気を読むことに大きな負担を感じることがあります。
また、自閉症スペクトラムの特性があるお子さんは、環境の変化やコミュニケーションの曖昧さにストレスを感じやすいことがあります。
そうした特性を理解されずに「怠けている」「もっと頑張れるはず」と言われ続けると、自己肯定感が下がり、やる気を失っていくこともあります。
思春期になると自分の特性と周りとの違いを強く意識し始めるため、無気力な状態として表れることもあるんです。お子さんの特性を理解した上で、その子らしい過ごし方を一緒に見つけていくことが大切です。
環境の変化による影響
進級や進学、転校といった学校環境の大きな変化は、お子さんにとって予想以上の不安やプレッシャーとなることがあります。
クラス替えで知っている友達がほとんどいない状況や、転校先での環境の違い、引っ越しや親の仕事の都合による家庭環境の変化なども、大きなストレスになりやすいものです。
また、中学校や高校への進学で急に難しくなる勉強内容や、部活動での責任が重くなることも気になる要素です。
さらに、思春期という心も体も大きく変わる時期と重なることで、「自分の居場所が見つからない」「このままやっていけるのかな」という不安を抱えやすくなります。
“小さな不安”がたくさん重なって、学校に行くこと自体に大きな壁を感じるようになることが多いです。
無気力型の不登校は甘えなの?
周りの人から「ただの甘えじゃないの?」と思われがちですが、無気力型の不登校は決して「甘え」で片付けられる問題ではありません。
外から見ると何もしていないように見えても、お子さんの心の中では大きな葛藤や疲れ、自己否定的な気持ちが渦巻いていることが多いんです。
「行けるのに行かない」ように見えるのは、実は心と体のエネルギーが本当に底をついていて、”行きたくても行けない”状態に近いことが多いのです。
親や先生が「甘えているだけでしょ?」と決めつけてしまうと、お子さんの自己肯定感がさらに下がり、ますます無気力な状態が長引いてしまう可能性があります。
まずは”本当に辛い状態にいるのかもしれない”という気持ちで接することが大切です。
原因ははっきりあるけど言いたくない場合も。
原因がはっきりしているのに、お子さんが話したがらないので、「無気力に見える」ケースもたくさんあります。
例えば、クラスでのいじめや友達とのトラブル、家庭での悩みなどがあっても、「親に心配をかけたくない」「先生に言っても解決しないかも」と考えて、あえて黙っていることがあるんです。
また、自分の特徴や性格について否定的なことを言われたり、”わかってもらえない”という経験を重ねたりした結果、誰にも言えなくなってしまうこともあります。
そうした気持ちを誰にも打ち明けられないまま一人で抱え込むと、無気力はより深刻になってしまいます。
親や周りの大人は、「何か理由があるはず」という気持ちを持ちながら、お子さんが安心して話せる環境を作ることが大切です。
無気力型の不登校への対応
無気力型の不登校の場合、まず大切なのはお子さんの心と体を十分に休ませること。そして、安心できる居場所を確保しながら、ゆっくりと原因を探っていくプロセスが必要です。
まずは心を休ませる
無気力型の場合、すでに心と体のエネルギーが限界に達していることが多いため、「早く学校に行きなさい」と急かすのは避けましょう。
最初に大切なのは、「とにかくゆっくり休むこと」です。
昼夜逆転している場合でも、最初は無理に直そうとせず、できるだけ眠りたいときに眠れる環境を整えてあげましょう。
十分な睡眠と休憩を取ることで、少しずつ体の疲れや心の緊張がほぐれて、「少し外に出てみようかな」「誰かと話してみようかな」という気持ちが芽生えるきっかけになります。
また、休むことに罪悪感を持たせないためにも、親が「今は休んでいいんだよ」とはっきり伝えることが大切です。罪悪感からさらに無気力が強くなることもあるので、お子さんの心の負担を軽くしてあげる姿勢を大切にしてください。
学校以外の居場所を用意する
学校以外で過ごせる場所や人とのつながりを持つことは、無気力型の不登校への大切なサポートの一つです。
Branchのようなオンラインコミュニティでは、自宅からでも参加できて、同じような不登校の経験を持つ友だちと出会えたり、自分のペースで関わりを持てたりします。
地域のフリースクールや教育支援センターに通ってもいるのも良いかもしれません。
大切なのは、「学校だけが全てではない」という考え方です。
新しい居場所で得られた小さな安心感や楽しい経験が、お子さんの自己肯定感を高め、自分らしい生活を見つけるきっかけになることもあります。
学校側に原因をヒアリングする
お子さんが無気力な状態になる前後に、学校で何か変化やトラブルがなかったかを確認することも大切です。
担任の先生やスクールカウンセラーと話をして、お子さんが感じていた負担について具体的な情報を聞いてみましょう。
例えば、クラスメイトとのトラブルや部活動での負担、先生とのコミュニケーションの難しさなど、学校側が気づいていることがあるかもしれません。
もし問題がはっきりした場合は、学校に具体的な対応をお願いしたり、サポート体制を整えてもらったりすることもできます。
逆に原因がわからないままだと、対策が的外れになりやすいので、親が積極的に学校と連絡を取り合い、お子さんがどんな状況だったのかを共有しながら、より良い環境作りを目指していくことが大切です。
専門家にサポートしてもらう
無気力な状態が長く続いたり、原因が複雑に絡み合っている場合は、心理カウンセラーや児童精神科などの専門家に相談することをおすすめします。
専門家は発達障害の可能性や、心と体の健康状態、ストレスの程度などを総合的に見立ててくれます。
お薬のサポートが必要なケースもあるので、専門機関に相談することは大切です。
親だけで抱え込んでしまうと、思いつきの対応で逆に状態を悪化させてしまうこともあります。
専門家と一緒に、「お子さんにとって心地よい環境をどう作っていくか」「発達障害の特性がある場合はどんなサポートが受けられるか」など、具体的な方針を考えていくことができます。
親の会に出て体験談を収集する
同じように不登校を経験したお子さんを持つ保護者が集まる「親の会」に参加するのも、心強い選択肢の一つです。
そこでは、不登校になったきっかけから、どんな対応をしてお子さんが楽になっていったのかなど、具体的な体験談を聞くことができます。
また、周りに相談できる人がいなかったり、学校との関係が難しい場合でも、親の会では同じ経験を持つ仲間と出会い、必要な情報やサポート先を教え合うこともできます。
「うちだけじゃないんだ」と感じられるだけでも、心が少し軽くなる方は多いはずです。
同時に、他の保護者さんの体験を聞くことで、「うちの子にもこんな関わり方ができるかも」とヒントをもらえることも大きな魅力です。
親自身の心のケアも忘れずに
お子さんが不登校になると、親御さんは「自分の育て方が悪かったのかな」「どうしてあげたらいいのかわからない」と自分を責めたり、無力感を感じたりしがちです。
でも、親御さん自身が精神的に追い込まれてしまうと、お子さんへのサポートがうまくできなくなるだけでなく、家庭の雰囲気も重くなってしまいます。
だからこそ、親御さんも誰かに相談したり、趣味や友人との時間を持ったりして、心を休める時間を作ることが大切なんです。
不登校支援団体や専門機関に親御さんだけで相談に行くのも良い方法です。
親が心に余裕を持てると、お子さんも「私のことを冷静に受け止めてくれている」と感じ、少しずつ心を開きやすくなっていくものです。
無気力型の不登校のお子さんに家庭でできるサポートは?
無気力型の不登校では、学校に行かない時間をどう過ごすかがとても大切になります。長く続く無気力な状態は、生活リズムが崩れたり、人とのつながりが薄くなったりしやすいものです。
でも、「家庭でどう過ごすか」を工夫することで、少しずつ元気を取り戻していけることも多いんです。
生活リズムを緩やかに整える
無気力型の不登校では、昼夜が逆転したり、食事の時間が不規則になったりしがちです。
でも、急に「明日から朝7時に起きましょう」というような大きな変化を求めると、お子さんがプレッシャーを感じて逆効果になることがあります。
まずは寝る時間や起きる時間を少しずつ早めてみたり、朝の光を浴びる機会を増やしたりするなど、負担の少ない方法から始めてみましょう。
また、できる範囲で家族と食事の時間を合わせてみたり、夜中のスマホやゲームの使い方についてお子さんと一緒にルールを考えたりするのも良い方法です。
焦らず、お子さんのペースに合わせて緩やかに生活リズムを整えることで、体の元気が少しずつ戻り、心の安定にもつながっていきます。
趣味や好きなことを大切にする
無気力な状態でも、少しでも「楽しい」「興味がある」と感じられることがあれば、それを大切に育んでいくことが回復への一歩となります。
オンラインゲームなど、親としては心配になりがちな趣味でも、最初から否定するのではなく、「どんなゲームなの?」と話を聞いてみるだけでも、お子さんは安心感を得られるかもしれません。
また、絵を描いたり、工作をしたり、音楽を聴いたり演奏したりといった創作活動は、自分を表現したり達成感を味わったりするきっかけにもなります。
室内でもできる軽いストレッチなどの運動を提案して、一緒にやってみるのも良いですね。
好きなことに夢中になることで、少しずつ気持ちが前向きになり、新しい興味や目標が生まれるきっかけになることもあります。
原因を少しずつ聞いてみる
お子さんが無気力になっている理由を探るには、直接問いつめるのではなく、普段の会話の中で少しずつ話を引き出すのがおすすめです。
朝から「どうして学校に行かないの?」と聞いてしまうと、お子さんは責められていると感じて、ますます心を閉ざしてしまうことがあります。
むしろ、落ち着いて話せる時間や、お子さんがリラックスしているタイミングを見計らって、「最近はどう?」と自然に声をかけるだけでも十分です。
何か話し始めたら、すぐに解決策を出したり否定したりせずに、「そうだったんだね」「大変だったね」と共感しながら耳を傾けることが大切です。
「今は話したくない」という場合には、無理強いしない姿勢を見せるだけでも、お子さんが安心して少しずつ気持ちを話してくれる可能性が高まります。
まとめ
無気力型の不登校には、必ずと言っていいほど何らかの理由があります。
一見「怠けている」「甘えている」ように見える状態でも、実際には疲れやストレスが重なっていることが多いんです。
だからこそ、まずはしっかりと休養を取り、安心して過ごせる居場所を作ることが大切な第一歩となります。
また、学校と連絡を取って状況を理解したり、専門家に相談したりすることで、原因を整理しながら少しずつ対応方法を見つけていけます。
親御さんとしては焦る気持ちをグッとこらえて、お子さんのペースに寄り添いながら無理のないサポートを心がけましょう。
ぜひ、Branchコミュニティのようなオンラインの居場所も活用してください。
同じ悩みを持つ仲間と情報交換をし、長い目でお子さんの成長を見守っていけたらと思います。
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この記事を書いているBranchは、不登校・発達障害のお子さま向けの「学校外で友だちができる」Branchコミュニティを運営していて、以下のような特徴があります。
- 「学校行きたくない」という気持ちを抱え、家族以外の人との関わりが減ってしまった不登校のお子さま達が自分の「好きなこと」をきっかけに安心できる居場所や、友達ができるようなサービス。
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もあり、サービス継続率は約95%以上。
- 小学校低学年のお子さまはもちろん、どんな子でも楽しく参加できるようにスタッフがお子さま一人ひとりに寄り添ったサポートを徹底。
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