不登校になったお子さんは、どのように居場所を見つけていったのでしょうか?また、保護者の方はどのようにお子さんと関わっていたのでしょうか?
今回は「今まさに子どもが学校行き渋りだ」「今まさに不登校になった」というご家庭の方に向けて、他のご家庭がどうやって情報や居場所を見つけ、どのようにお子さんが変化していったかのインタビューをお届けします。
この記事では、現在小学6年生・女の子の保護者の方にお話いただいた内容をご紹介します。
子どものプロフィール
- 名前:Aさん
- 年齢/学年:12歳、小6(インタビュー時)
- 好きなこと:パンやお菓子を作ること、山登り、アウトドアクッキング、YouTube(アニメにハマると、そのアニメの考察にハマる。ゲーム実況)、ゲーム(『原神』、『プロジェクトセカイ』)、本、マンガ(推しの子、コナンなど)
保護者さんから見て、どんなお子さんですか?
とにかくマイペースですね。自分のペースを崩されるのが嫌いです。
自分の「やりたい!」「これはやりたくない!」というこだわりが強く、不登校になってからよりその傾向は強まったように感じました。
学校も普通に行って、勉強もできたので、それまではあまり気にしていなかったんですけどね。
「学校に行きたくない」となった理由や経緯
小5の5月に、宿泊ありの移動教室(林間学校)があって、それがきっかけで「学校に行きたくない」となりました。
もともと、中学受験塾がストレスだったり、勉強をしないことに親も厳しくしていたりで、本人が色々つらくなったのかな。
学校に行けなくなった時、本人はどんな状態でしたか?
あとで自ら話してくれたところだと、もともと学校に行っていたけど、特定の友だちはいなかったそうです。
それが4年生くらいまでは気にならなかったけど、5年生になって初めて親しい友だちが欲しいと思った時に、なかなかそれがうまくいかず、学校に居場所を見つけられなかったことが辛かったのではないかと思います。
思春期になって、友だちの輪にうまく入っていけない。
移動教室で、同級生の恋バナ(恋愛話)に興味がなくて、Aは寝たらしいんです。
起きたら、まだ恋バナを話していて周りの子はずーっと恋バナを話していたんですって。
それで「あ、自分だけ空気読めないやつって思われたかも」って思ったそうです。
女の子って、自分が嫌でも「周りがやるから」「周囲に合わせて」などを重視する子が多いようですが、Aにはそういうところが一切ないんです。
噛み合わなさがあったのかな。
他にも「教室がうるさい」「自分が集中したいときに周りが騒いでる」とか、学校の環境自体が嫌だったようですね。
不登校になってからの保護者の対応
最初に本人へどのように対応していたか
はじめに、移動教室の後に、スクールカウンセラーさんとつながりました。
担任の先生からは「無理して来なくても、休ませてもいいですよ」と言われて、先生もAのペースを尊重してくださいました。
親としても、本人の意思を尊重させた方がいいかなとなりました。
そもそも体が大きくて、無理に学校に連れて行くことはできないなというのもあります。
その後どんなアクションをしたか
周りに不登校のお子さんがいる、ママ友たちがいました。
その人たちに「お子さんのとき、どうでした?」と話を聞きました。
小学校の状況に詳しい友人に相談したり、すでにお子さんが不登校になっている先輩ママさんに話を聞いたり。
どれくらいの期間不登校だったかとか、先の見通しを聞きました。
そのうちの1人のお母さんからBranchを聞きました。
Branch以外に取り組んだこと、利用したサービス
学校の相談室に相談して、一度は適応指導教室も見学しましたが「遠くて通いたくない」と。
また不登校児向けのキャンプがあって、何度か参加しました。
Branchについて
Branchとの出会い、連絡したきっかけ
不登校の(同級生)ママ友に聞きました。
不登校についての話しを色々聞いている時に「以前こういうの利用してました」と。
実際どれくらい不登校が長引くかとかは分からなかったので、不登校になってから利用するまで少し間が空きました。
まず周囲に不登校に関する口コミを聞いて、次に公的サービス、診療内科、夏休み明けて、「これはかなり長いことかかるかな」と分かり、秋口頃にBranchに連絡しました。
最初の面談はどうでしたか?
まず、うちの子は女の子でゲームとかをしていたわけではないので、友だちがつくれるかとかは懐疑的でした。
なので、最初は保護者の情報収集の場として参加しました。
実際、Aはしばらく参加せず親だけ参加していましたが、ちょっと声をかけてみたら興味ある部活に参加して、だんだん発言するようになりました。
オンラインサービスを利用してみてどうですか?(コミュニティ、メンター)
私は主に情報収集で、Aは気が向いたときに見て、お菓子を作ったのを投稿したり、
『原神』でいいキャラをゲットしたらそれを投稿したり。
基本的に投げっぱなしで、コミュニケーションは殆どしていないようです。
その瞬間は人と関わりたいと思っていても、人の話を聞き続けるのが苦手なので、コミュニケーションがあまり発生しないタイプです。
でもBranchの高尾山登山イベントは、Aも好きなアクティビティだったので参加させていただきました。
生活上での困りごとはありますか?
睡眠
学校に行かなくなって、なかなか眠らないようになりました。
眠れないときは24時くらいまで寝付けないようです。
22時にはiPadの電源が自動で切れるのですが、眠れずにゴソゴソしています。
なので、下の子の寝かしつけの後に添い寝していました。
最近、診療内科でリスパダールをもらって、本人が眠れないときに飲んでいます。
でも、リスパダールって太りますよね?その副作用が気になっています。
本人も気になったときに飲むくらいで、そこまでしょっちゅう飲んでいるわけではないです。
偏食
偏食が多いです。
食べるものを用意するのに苦労しますね。
以前、不登校になってから「給食だけ学校に食べに行く」をやろうとしたけど、給食の中に好きなものがなくて行けませんでした。
給食が嫌いというのが、行きたくない理由にそもそも入っていたかもしれないです。
家では好きなものを食べさせています。
感覚過敏
もともと激しくなかったんですが、最近だと「新幹線の中が嫌」とのことで、座ってられないんです。
席を予約しても、デッキに行って、そこでも機嫌悪くなって。
実家まで新幹線で移動なんですが、それが毎回大変です。
また、着られる服が少ないです。
「肌触りが嫌だ」とかがあります。
なので本人は「制服がない学校に行きたい」と言っています。
スカートを履きたがりませんし、本人にとって制服の着心地が悪かった場合、制服を着ること自体がストレスになると思っているので、私服が良いなと私も思っています。
お子さんは、普段どんなことをして過ごしていますか?
今は中学受験を目指してがんばっています。
個別指導の塾に行っていて、夏期講習中で週3〜4回。
塾に行っていないときはYoutubeを見て、たまにお菓子も作ってます。
夏休みなので、帰省したりもしていて、外出はしていますね。
お子さんが”変わったな”と感じる部分があれば教えてください。
不登校の最初は暗くなっていました。
メンタルも荒れていました。
親ともあまり対話がなく、ギスギスしていました。
「やる」って言ったことも、いざとなったら「嫌だ」となったり。
半年たって、親が「子が学校に行かないこと」を受け入れて、AはAなりにがんばってるんだなと認めてから変化がありました。
学校の勉強などやりたくないことはあまりやっていないけど、今年の1月からは塾に行き始めて定期的に通えています。
そうしたら親子で喧嘩しなくなりました。
こっちがうるさく言わないようにしていて、今は自主性に任せています。
目標や進路など、具体的に考えていることはありますか?
今は受験です。
本人の希望もあり、とりあえず通えそうな学校に合格することを目指しています。
公立で周りがざわざわした環境じゃなくて、もっと自由そうな中学の方が通えるんじゃないかと本人が思っています。
その先にどこかしらの中学に行って、通えるようになることを今は目指しています。
Aの兄が先に受験していて、学校に付いていって学校のきれいさとかに興味を持ちました。
保護者さん自身の変化はありましたか?
不登校になる前は厳しくしていました。
「中学受験する」と本人も言っていたので、勉強についても何かと言っていましたし、本人のコミュニケーションの雑さとかも指摘していました。
本人は指摘が嫌だったようですね。
「全然褒めてくれない」「もっともっと褒めてほしかった」と。
なので、今はたくさん褒めています。
3人の子どもを育てる中で、それぞれ個性が異なっていたこともあり、Aに合う接し方ができていなかったところがあったと思います。
そこは反省して、学び直しました。
感覚過敏は我慢するのではなく、「嫌な刺激を取り除く」とか。
そのあたりは勉強しました。
「馬を水辺に連れて行けても 水を飲ますことはできない」という言葉がありますが、まさにそれだな、って。
Aに対しては、本人が納得感を持って好きにやらせないと行動は変えられない、と理解して、本人の意思に任せるようにしました。
保護者のねがい
Aは向き不向きがすごく多くて、向いているものと不向きなものの差が非常に出やすいと見ていて思います。
なので、Aにあった場所で力を発揮できるようにしてほしいなぁと思っています。
不登校の保護者の方にメッセージ
子どものことはやっぱり本人が持ってる力を信じてあげるしかないかな、と思います。
学校行かないって普通と違う選択をすると、親は迷うし、受け入れに葛藤するけど、「本人がどうして行きたいか」が1番大事ですよね。
本人が気持ちを殺してまで学校に行く必要はない。
そうじゃない生き方もあるし、その先の人生を歩んでいくのは本人なのでそれを支援していくしかないな、と。
家庭は子どもが安心できる場所で、親は本人のやりたいことを見守るスタンスで行くのが良いと思います。
その方が親子関係はよくなります。
発達障害や不登校の子の「友だちができる。安心できる居場所」とは?
Branchでも1つの解決策として、不登校・発達障害があるお子さま向けの「学校外で友だちができる」Branchコミュニティを運営していて、以下のような特徴があります。
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- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もあり、サービス継続率は約95%以上。
- 小学校低学年のお子さまはもちろん、どんな子でも楽しく参加できるようにスタッフがお子さま一人ひとりに寄り添ったサポートを徹底。
Branchコミュニティは1ヶ月無料体験ができるので、ご利用を迷われている方は一度お気軽に無料面談予約をお申し込みください。