こんにちは。不登校や発達障害のお子さんと保護者さんのための居場所、Branchコミュニティです。
お子さんの不登校について悩んでいると、周りから「甘やかしすぎじゃないの?」といった言葉を投げかけられることがありますよね。
でも、不登校は決して甘やかしすぎではなく、子どもからのメッセージです。
本記事では、不登校が「甘やかしすぎ」ではない理由や、お子さんの気持ちに寄り添いながら自立へ向かうためのステップについて、わかりやすくお伝えしていきます。
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不登校は「甘やかしすぎ」ではありません。
不登校を「甘やかしすぎ」とみなす声もありますが、実際にはお子さんの心の叫びであるケースがほとんどです。
ここでは、不登校は決して「甘やかしすぎ」ではないという事実と、その根底にある子どものSOSについて解説していきます。
不登校は「甘やかしすぎ」ではない
不登校になるお子さんは、心も体も限界まで頑張っていることがほとんどです。
単純に「学校に行きたくない」というわがままではなく、「もう無理」という切実な気持ちからの行動です。
日本の学校は集団行動や他の子との比較が多く、繊細な子どもにとってはとてもストレスの多い環境になることがあります。
友だち関係の悩みや、先生との相性、いじめなどによって心が傷つき、学校に行く気力がなくなってしまうこともあります。
さらに、子どもにとって不登校は勇気のいる決断です。
「行きたくない」と自分から言うのは、周りがどう思うかという不安や、自分を責める気持ちなど、いろいろな葛藤があります。
周りの大人は「甘やかしすぎ」だと簡単に決めつけるのではなく、「それだけ追い詰められているんだ」というサインとして受け止める必要があります。
また、一見「家でゲームばかりしている」「好きな動画を見て楽しんでいる」ように見えても、その裏には強い孤独感や自己否定の気持ちが隠れていることがあります。
自分の心を守るために、何かに夢中になることで気を紛らわせているのかもしれません。
不登校は、子どもが最後の力を振り絞って発しているSOSです。
「甘やかし」とは違う場合がほとんどだということを理解しておきましょう。
不登校の原因も「甘やかしすぎ」ではない
不登校は、子どもの「わがまま」や「怠け」、「甘やかしすぎ」が原因なのではありません。
実は、いろいろな要因が重なって起きています。
たとえば、学校でのストレスや友だち関係の悩み、勉強の大変さなどが挙げられます。思春期のお子さんは、自分がどう見られているかや、周りとの比較にとても敏感です。
ちょっとしたことでも大きなプレッシャーを感じやすいです。
また、発達障害をもつお子さんの場合、集団のルールやコミュニケーションが苦手で、普段の授業や学校生活がとても大変に感じることがあります。
これは「甘やかしすぎ」や「親のしつけ不足」が原因なのではなく、お子さんの持つ特性によってストレスを感じやすいということです。
このような状況で無理に学校に行かせようとすると、お子さんの心の負担はさらに大きくなってしまいます。
周りから「甘やかしているだけでしょ」と言われると、保護者の方も「もっと厳しく接したほうがいいのかな」と悩んでしまいますよね。
でも、不登校の原因をしっかり理解せずに厳しく接することで、お子さんはさらに孤立してしまったり、精神的に追い詰められたりしてしまう可能性があります。
不登校を「甘やかし」だと決めつけるのではなく、「子どもに合わない環境があるんだ」と理解して、柔軟にサポートを考えていくことが大切です。
不登校=甘やかしだと言われる理由
なぜ不登校が「甘やかし」だと言われがちなのでしょうか。
その理由の一つとして、不登校のお子さんが外から見ると元気そうに見えることがあります。
学校には行かないのに、家でゲームをしたり、笑顔を見せたりする様子を見て「ただサボっているだけじゃないの?」「甘えているだけでは?」と思われがちです。
でも、実際には多くのお子さんが、学校という環境に強い不安やストレスを感じているだけで、家で過ごしているときも心の中では大きな苦しみを抱えていることがあります。
また、不登校の子どもの子育ての経験のない周りの人たちは、不登校が深刻化していく過程や背景を詳しく知らないことが多いです。
いじめや勉強の悩み、発達障害による生きづらさなどが原因になっていても、その部分が見えないため「ただ行きたくないだけでしょ」と簡単に判断されてしまいます。
さらに、「子どもは少し厳しくしつけた方がいい」と考えている人は、学校に行かない子どもを”甘やかされて育った結果”だと決めつけてしまいがちです。
そんな周りの誤解を聞くたびに、保護者の方は「本当に自分は甘やかしているだけなのかな」と悩んでしまいますよね。
でも、不登校になってしまった本当の理由を見つめると、「甘やかし」とはまったく違う状況であることがほとんどです。
大切なのは、子どもの心の中で何が起きているのかを理解すること。
「学校へ行けるようになるには」ではなく、「子どもの心をどう守るか」を最初に考えることが大切です。
「甘え」と「甘やかし」の違い
不登校の話題では「甘え」と「甘やかし」が混同されがちです。
でも、この二つは根本的に違うものです。「甘え」は子どもが不安や緊張を和らげるための自然な行動。
一方の「甘やかし」は子どもの自主性を奪ってしまう可能性があります。
甘え
「甘え」とは、子どもが不安やストレスを感じたときに、安心できる相手を頼る行動です。
親に甘えたり、話を聞いてもらったり、いろいろな形で表れますが、これは子どもが自分の心を守り、ホッとできる場所を求める自然な行動です。
特に、不登校や発達障害を抱えるお子さんは外の世界でたくさんの緊張や悩みを抱えやすいため、家に帰ってきたときに「甘え」を強く求めることがあります。
この「甘え」は、子どもの心を安定させるためにとても大切なプロセスです。
子どもが自分の気持ちを素直に表現し、それを親が温かく受け止めることで、「自分は大切にされている」「安心していいんだ」と実感できます。
もし、この「甘え」を「甘やかし」として否定してしまうと、子どもの心はさらに閉ざされ、次への一歩が遠のいてしまうかもしれません。
休みたいときに安心して休める環境を作ることは、子どもの回復をサポートする大切な要素です。
甘やかし
一方、「甘やかし」は子どもの自主性や決める力を親が奪ってしまう行為です。
例えば、子どもが「自分でやってみたい」と言っているのに「危ないからダメ」と決めつけたり、親の考えだけを押し付けて子どもの選択肢を狭めたりするようなことです。
これでは子どもは「自分で考えて行動する」機会を失い、自信をなくしたり、判断力が育ちにくくなったりしてしまいます。
親としては「子どもを守りたい」「失敗させたくない」という気持ちからやっていることでも、結果的に子どもの成長の妨げになってしまうことがあります。
不登校の場合も同じで、子どもが「少し外に出てみたい」「オンラインで誰かと話してみたい」と思い始めたときに、親が「やめておきなさい」「私がやってあげるから」と先回りしすぎると、子ども自身がチャレンジする機会を失ってしまいます。
「甘え」が子どもの心を安心させる行為なのに対し、「甘やかし」は子どもの主体性や成長を止めてしまう行為という点で、本質的に違うと言えます。
「甘やかし」にならない注意は必要
不登校=甘えではないのですが、「甘え」と「甘やかし」の境界線は、実はデリケートで注意が必要です。
親として「子どもを助けたい」「サポートしたい」という気持ちはあるものの、子ども自身の気持ちや決断を大切にしないと、知らず知らずのうちに「甘やかし」になってしまうことがあります。
例えば、お子さんが「この方法で勉強してみたい」と言っているのに「そんなやり方じゃダメよ」「効率が悪いからやめなさい」と否定してしまうと、子どものやる気や自主性が失われてしまいます。
特に不登校のお子さんは、学校に行かないことで親子の距離が近くなりやすい傾向があります。
そのぶん、親が何でも先回りしてしまいがちです。もちろん、安全面や健康面での配慮は大切ですが、小さなことから少しずつ子どもに任せてみる機会を作っていきましょう。
例えば朝起きる時間や昼ごはんの準備、オンライン学習の計画など、少しずつ子どもが自分で決めて、行動できる場面を作っていくんです。失敗も学びの一つと考えて、大きな問題にならない範囲なら見守る姿勢が大切です。
こうした小さな積み重ねが、子どもの自立心を育み、回復への道筋になっていきます。
「甘やかしすぎずに無理もしない」不登校で辛い現状を良くする自立へのステップ
不登校の子どもが再び外へ一歩を踏み出し、自立へ向かうためには、過度に干渉せず、かつ心身に無理な負担をかけない環境づくりが大切です。
ここでは、お子さんを「甘やかしすぎずに、無理もしない」具体的なステップを紹介します。
まずは心の休養
不登校になった直後や、精神的にかなり疲れている段階では、まず「休むこと」が一番大切です。
「早く学校に戻さなきゃ」という気持ちはわかりますが、子ども自身が「もう無理」と感じているときに無理に行かせようとすると、かえって心を閉ざしてしまう原因になりかねません。
まずはお子さんが十分に眠れるようにし、朝起きられないときは体のリズムを取り戻すことから始めましょう。
ゲームや動画、SNSなどに時間を使っている姿を見ると、親としては「こんなに元気なら学校に行けるんじゃないかな」と感じるかもしれません。
でも、子どもにとってはその時間が心のバランスを保つための大切な手段である場合も多いです。
焦らずに、休息が必要な時期なんだと理解してあげることが大切です。
学校や担任の先生からの連絡で負担を感じるようであれば、一時的に連絡の頻度を減らしたり、自宅で過ごす選択をしたりするのも一つの方法です。
「学校へ行かなければ」という義務感よりも、「心と体を整える」ことを大切にする時間を作りましょう。
居場所づくり
心の休養で少し気持ちが落ち着いてきたら、「外とのつながり」を作っていくステップに進みます。
不登校のお子さんの居場所には、フリースクールや教育支援センターが挙げられます。
たとえば、Branchのようなオンラインコミュニティなら、不登校や発達障害について理解のある人たちと出会えます。
お子様の「好きなこと」が一緒の友だちや信頼できる大人に出会えて、同じような経験を持つ人たちと、安心感を持って通じてつながることができます。
このとき、大切なのは「子ども自身が行ってみたい」と感じることです。
親が「ここに行きなさい」と押し付けると、その場所が新しいストレスの原因になることもあります。
まずはお子さんと「どんな所なら行ってみたいと思う?」と一緒に探してみて、少しでも興味を示したら「試しに行ってみる?」と声をかけてみましょう。
オンラインなら家にいながら気軽に参加できますし、同じ悩みを持つ子ども同士が出会いやすいという良さもあります。
本人が「そろそろ誰かと話してみたいな」「趣味を深めてみたいな」と思えたタイミングで居場所を提案すると、自信を取り戻すきっかけにもなります。
居場所づくりは、子どもの自己肯定感や人との関わり方を育む大切なステップです。
子どもに合った場所を一緒に見つけることで、不登校の苦しさから少しずつ抜け出すきっかけになるでしょう。
学習サポート
お子さんが「将来のことを考えたい」「学びたいことがある」と思うようになったら、学習面のサポートを考えてみましょう。
フリースクールやオンライン学習など、学校以外にもたくさんの選択肢があります。
ここでも大切なのは、お子さんが「やってみたい」と思える方法を見つけること。将来の夢や、興味のある分野について一緒に話し合ってみるのもいいですね。
お子さんが自分から「やってみよう」と思えるタイミング、また勉強に関して不安な言動を見せたタイミングで、必要な教材や学びの場所を提案してあげるのがベストです。
また、学習以外にも興味を持てる分野があるなら、その才能を伸ばすことも大切な選択肢です。
もちろん、学校に戻ってみたい意思が見られたら、少しずつ登校復帰をしてみるのもいいかもしれません。
進路を一緒に考えながらサポートしていくうちに、お子さんは少しずつ「自分は大丈夫かもしれない」と自信を持てるようになっていくでしょう。
保護者へのメッセージ:「甘やかしすぎ」と自分を責めないで。
不登校の子どもを持つと、「甘やかしているだけ」と言われて自分を責めてしまいがちですよね。
でも、子どもを守ろうとするあなたの気持ちは、決して甘やかしではありません。
不登校のお子さんの子育てを知らないため、そう言われているケースがほとんどだと思います。
特に、親の会、フリースクール、Branchなどで同じ悩みを持つ保護者の方と話をしたり、情報交換をすると、そのことがわかると思います。
一人で抱え込まないようにすることは、とっっても大事です。
あなたが安心できる環境を得ることで、お子さんも安心して前へ進むことができます。
ゆっくりと一歩ずつ進んでいきましょう。