
こんにちは。不登校や発達障害の子どもと保護者さんのための居場所、Branchコミュニティです。
学校には行きたいけれど教室には入りづらい、そんな気持ちを抱える子どもの選択肢のひとつとして保健室登校があります。
この記事を書いている私の息子も一時期保健室登校をしていました。
今回は、保健室登校の定義やメリット・デメリットに加え、気になる出席認定や教室復帰について、体験談をまじえてお伝えしていきます。
お子さんに、学校以外の「居場所」を用意してみませんか?
Branchコミュニティは、学校に行かなくても友だちができる、オンラインの居場所です。
不登校や発達障害の子どもたちが「好きなこと」を通じて自信がつき、社会とつながることを目指しています。
はじめに:保健室登校とは?定義や過ごし方
保健室登校とは一体どのような形態なのでしょう。
ここでは、保健室登校の基本的な定義や一般的な過ごし方について説明します。
保健室登校とは
保健室登校とは、学校に登校しつつも、教室には行かずに保健室や相談室といった別の場所で学習や休憩を行う形態をいいます。
いじめや対人関係、発達の特性、勉強の遅れなどがきっかけで、教室での生活が難しくなった場合の選択肢の一つです。
保健室登校をすることで、完全に学校から離れることなく、負荷を減らして学校生活を継続することができます。
子どもにとっても「学校に居場所がある」という実感を得られる点が大きなメリットとなります。
保健室登校での過ごし方
保健室登校での過ごし方は一人ひとり異なりますが、心身の安定を図りながら少しずつ教室復帰を含む次のステップを目指すケースが多いです。
具体的には、下記のように保健室内で学習を進めながら、休憩や心身のケアを取り入れて過ごします。
【保健室での学習】
- 通常の教科書やプリント、ICT機器を使い、個別学習を進める
- 担任やその他の先生のサポートを受けることもできる
【休憩の取り方や心理的ケア】
- 静かなスペースで気持ちを落ち着かせる
- スクールカウンセラーや養護教諭と相談しながら、メンタル面をケアする
【他の生徒や先生との関わり方】
- 無理のない範囲で先生や友達と交流する
- 登校時間をずらしてストレスを軽減させる
無理のない範囲で学習と休息をバランスよく取りながら、次のステップへの土台を整えていきます。
保健室登校のメリットとデメリット
保健室登校は、心理的な負担を抑えつつ登校できる場として活用しやすい一方、学習面の遅れや気持ちの負担など、いくつかの課題も抱えています。
保健室登校のメリット
保健室登校の最大のメリットは、学校とのつながりを維持できることです。子どもが教室に戻る準備期間としても機能します。
また、登校しているため生活リズムが保てます。
加えて、担任やスクールカウンセラー、保健の先生などが子どもの様子を近くで把握しやすい点も利点です。
その結果、必要なサポートをタイミングよく提供できる可能性が高まります。
- 学校とのつながりを維持できる
- 生活リズムが保てる
- 子どもの様子を把握しやすいため適切なタイミングでサポートできる
保健室登校のデメリット
一方で、保健室登校にはいくつかのデメリットも存在します。
たとえば、教室とは異なる環境で過ごすため、授業の進度に合わせた学習が難しく、結果的に学習が遅れる可能性があります。
また、もし保健室の先生やサポート役の先生との相性が合わない場合、子どものストレスが逆に増えてしまうことも考えられます。
学校に通っているものの教室にはいないことで、子ども自身が「自分だけ特別扱いされている」という後ろめたさを感じてしまうケースもあります。
子どもの気持ちに合わないまま保健室登校を続けるのは逆効果になる場合もあるため、定期的な見直しは欠かせません。
- 学習が遅れる可能性がある
- 合わない先生だと余計辛くなる
- 学校生活が見える分、家にいるより余計後ろめたい気持ちになることも
保健室登校の出席扱いや進学への影響
保健室登校でも出席扱いになる場合が多いですが、学校や自治体によってルールは様々です。
出席日数にはカウントされる?
多くの場合、保健室登校であっても「学校に来ている」ことが確認できれば、出席日数としてカウントされます。
ただし、細かい規定は学校や自治体、教育委員会によって異なるため、事前に担任や学校側と確認を行うことが大切です。
内申書や進学への影響は?
出席日数や授業参加の評価は学校側が総合的に判断しますが、必要に応じて「別室で学習していた」「教室以外でサポートを受けながら学んでいた」といった内容が補足されるケースがあります。
保健室登校が一概に不利になるわけではありませんが、必ず学校の方針を確認し、子どもの進路のために必要なことは何か把握しておきましょう。
出席や進学に関しては学校への確認を忘れずに!
保健室登校から教室復帰するために
保健室登校からもとの教室の登校へ戻るには、子どもの状況をしっかり見極め、無理なく進めることが大切です。
急かさず、子どもの気持ちに寄り添いながら不安や葛藤を整理する手伝いをしましょう。
そのうえで、以下のポイントを押さえつつ、段階的なアプローチを心がけます。
- 保健室登校に至った経緯や原因を探り、原因の解決を図る
- まずは短時間の教室滞在から始める
- クラスメイトや先生との関係性を少しずつ構築する
- 学習のキャッチアップ方法を考えておく
最初は数分だけ教室に顔を出す、授業時間外にクラスメイトと話すなど、
小さな成功体験を重ねるのがおすすめです。
保健室登校以外の選択肢
保健室登校をしているけれど、子どもの様子は辛そうなまま…そんな時は、別室登校や適応指導教室、フリースクールなど、保健室登校以外の選択肢を検討することもできます。
どの選択肢がベストかは子どもの性格や状態によって異なるため、担任や養護教諭、スクールカウンセラー、そして子ども自身と相談しながら安心して過ごせる環境を探してみてください。
- 適応指導教室:自治体が用意する通級スタイルの学習環境
- フリースクール:公的機関とは別に、学習やコミュニケーションをサポートする民間施設
- オンライン授業・オンライン家庭教師:自宅でも学習を継続できる手段 など
保健室登校の体験談
Branchコミュニティにも、保健室登校を経験したご家庭はたくさんいます。ここでは保護者の方の体験談と、我が家の事例をご紹介します。
Branch保護者の方の体験談

保健室登校のメリット
教室とは別の教室で過ごせる
デメリット
生徒がケガ、発熱などで出入りがあり落ち着かない
コロナがまだ落ち着いてなかったので、結局適応指導教室に移動となり その後また行けなくなりました。



保健室ではないのですが、別室登校しました。
少人数で見てもらえて本人は安心のようでした。
学年行事のお知らせが漏れたりしていました。



保健室登校のメリット
学校に行きたいけどクラスには行けない子にとっては学校に行けているという一応の満足感がある
他の保健室仲間の子と知り合える
特別な対応をしてもらえる可能性がある
保健室登校のデメリット
保健室の先生と相性が悪いと苦痛の時間になる
不登校の選択に比べて、クラスに行けない自分をたえず意識してしまうことになる
保健室の位置や明るさによってはみじめな気持ちになる



保健室からクラスに復帰した際は、相性のいい保健室の先生が校外行事などに付き添ってくれることで他の子に慣れさせ、学年の切り替わりでクラスに戻りました。



うちの学校は、病気でなければ保健室に長時間いることができず、保健室登校の概念はありませんでした。



不登校前はよく保健室で休んでいましたが、すぐに教室に帰されるもしくはお迎え要請がきてしまいました。



保健室登校、保健の先生が娘に合ったようで一度は、保健室登校から教室登校に切り替えられました。
残念ながら、その先生は異動されたので新しい先生になってからは保健室登校はしていません。
保健の先生がどんな方なのか保護者が話してから子供に伝えると、すんなり事は運びました。



行き渋りがあり、別室登校や保健室登校を試したが、人が大勢いる学校のざわざわした雰囲気そのものがストレスの息子には逆効果だった。



服薬を開始して気持ちが落ち着き、気持ちの回復に合わせて学校で保健室登校など細やかなバックアップをしてくださり、不登校になってから3か月くらいで教室に入れました。



保健室はケガや病気の子の出入りも激しいので落ち着かない



養護教諭の考えや学校の方針として教室復帰を前提としている場合、それが子どもに伝わってしまうとかえってストレスになることもある。
我が家の体験
息子が小学校2年生の頃です。行きしぶりが徐々に悪化し、コロナ休校をきっかけに不登校の状態になった際、担任からの提案で保健室登校を選択しました。
当時はコロナに対する不安からか、保健室登校をしている児童がほかにも数名、保健室登校していました。
もともと発達の特性から集団が苦手で通常級での学校生活に困難を抱えていた息子でしたが、似たような状況の子どもたちと接することで、少しずつ対人への不安や苦手意識が和らいでいったようでした。
その後、少人数の支援級へ転籍することで、息子は再び登校するようになりました。
振り返ってみると、保健室登校は、息子にとって学校に対するネガティブな気持ちを中和するためのワンクッションになったと感じています。
また、保護者にとっても、息子に最適な居場所はどこか、改めて考える機会になりました。
まとめ:保健室登校をポジティブに活用するために
保健室登校は、学校とのつながりを保ちながら、子どものコンディションを整えることのできる場です。
ただし、学校の方針に大きく影響される部分もあるので利用前に確認したり、利用中も子どもの様子に合わせて適宜見直しをすることが大切です。
教室復帰を目指す際は、学校と連携し環境を整えながら、段階的にサポートしていきましょう。
また、無理に教室復帰を目指すのではなく、別室登校やフリースクール、オンライン教育など、他の選択肢を検討していくことも可能です。
子どもにとって最適な居場所を見つけるためのステップとして、保健室登校を活用できるといいですね。
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この記事を書いているBranchは、不登校・発達障害のお子さま向けの「学校外で友だちができる」Branchコミュニティを運営していて、以下のような特徴があります。
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