不登校になったお子さんは、どのように居場所を見つけていったのでしょうか?また、保護者の方はどのようにお子さんと関わっていたのでしょうか?
今回は「今まさに子どもが学校行き渋りだ」「今まさに不登校になった」というご家庭の方に向けて、他のご家庭はどうやって情報を見つけ、居場所を見つけ、どのようにお子さんが変化していったかをインタビューいたしました。
この記事では、現在中学1年生・男の子の保護者の方にお話いただいた内容をご紹介します。
子どものプロフィール
- 名前:Nくん
- 年齢:12歳・中学1年生(2023年4月時)
- 不登校の期間:小1の1学期から不登校
- 発達障害の診断:自閉症の診断有(ADHDもグレーゾーン)
- 好きなこと:ポケモンダブルバトル
ゲームしてる時のポーズがすごくユニークです。
椅子の上でなんでこんなバランスでやってるのって笑
不登校になったきっかけ
小1のゴールデンウィーク明けから行き渋るようになり、1年生の間は行けるときだけ母子登校をしていました。
二学期から通級、三学期には支援級に転籍などしましたが、2年生に上がっても行けるのは週に一度1時間ほどでした。
3年生にあがって転居に伴う転校をしてからは完全に行かなくなりました。
行きたくなくなった理由は「人数が多すぎる」「自分のペースでできない」「他の子が何を言ってくるかわからないのが怖い」などです。
学校という場所が合わなかったようです。
学校側とのやり取り
最初はそのまま放置はできないなと思い、こちらから先生に面談をお願いしました。
合理的配慮もいくつか頼んだりしましたし、いわゆる子どものトリセツ(取扱説明書)も作成して渡したりしました。
配慮の依頼は、例えば「板書は少なめにしてください」「見通しがたつように一日の予定を提示してください」「宿題を減らしてください」などです。
ただそこは普通級で生徒数が多いので、先生は「私はいいけど、他の子がなんと言うか。」「Nくん自身が嫌がるのでは?」などとおっしゃっていて、こちらの依頼をすべて実施してくださるという状況ではなかったのです。
2年生の先生は私的には当たりでちょっと学校に行ったりもしたけど、転校で縁が切れてしまいました。
行き渋り中の子どもとご家族の様子
行き渋り中、子どもは教室に入れなくて、最初は無理やり連れて行って、置いていこうかと思ったけど、泣きながら教室から出てきて家に帰ってくる、というような状況でした。もしくは学校に行ったとしても、廊下でいじいじしていて、教室に入れないというような形です。
私としては、帰ってきちゃうならしょうがないので「一緒に行く?」とか聞いてました。「じゃあ一緒に行く」というので、しぶしぶ一緒に行っていました。
行き渋り母子登校時は私の心も暗かったですね。Nも「明日も行かないといけない」と思って落ち込んでいました。
一緒にくっついて学校に行って、楽しくなさそうな我が子を見ないといけなくて心がつらかったです。
完全に行かなくなってから振り切れて、「学校に行くか行かない」という心配事がなくなりました。
行かないなら、その中で楽しいことをしようかなと心の負担が減りました。
お子さんの困りごとを解決するための情報をどのように取得していましたか?
病院受診と、教育センターに相談しています。
他には当事者家族向けの本を読んだりしています。
小さい頃から診断(3歳4歳ころ)があったので、病院には最初からつながっていました。
お子さんの困りごとを相談する場所やコミュニティはありますか?
専門的な内容は、同じく病院と教育センターで相談しています。
同じ立場の保護者の意見を聞きたいときにはBranchの保護者掲示板で質問しています。
病院はSNSで勧められていた療育機関に通うようになって、そこの提携の病院、という形で繋がりました。
教育センターは不登校の状況について支援をもらえる場所がないか自分で検索して相談に行きました。
病院と教育センターは「解決策を求めている」という時に利用しますね。
ビシっと言ってもらえる感じです。
Branchの保護者掲示板は、共感をもらえます。プロの意見じゃないけど、「自分の家はこうやってやり過ごしてる」とかの話を聞きたい時に使う形ですね。
お子さんが所属感を感じている居場所はありますか?
Branchと、そこで繋がったお友だち数人のグループです。
息子の場合、いきなり他の子と会うというのはハードルが高かったんです。そこで、オンラインで検討して、Branchにしました。
小学校の時、母子登校してる時に「ずるい」とか言われて、同世代の子が怖かったんです。
オンラインではいきなり逃げたりできるし、嫌だったらやめることもできる。最初は顔出ししていたけど、同年代の子がしてなくて出すのが恥ずかしくなってやめました。
所属先を得た後、お子さんはどのように変化しましたか?
友だちの話を嬉しそうにするようになりました。
自分だけの世界だったのが、お友だちと遊ぶためにマイクラのワールドの準備をしよう、とか、友だちと同じ話題でしゃべりたいから友だちのおすすめの映画を見る、とか。
前向きになり、世界が広がったと思います。
仲良い友だちが話すのが得意で面白い話をいっぱいしてくれるのですが、その子の口癖を真似して話してくれたりします(笑)。
以前は同じ年頃の子供を怖がっていましたが、オフラインでお友だちに会うことができ、恐怖感を少しずつ克服しつつあるようです。
外に出るきっかけにもなっています。
また、少し年上の子と話すと刺激をうけるみたいです。
その友だちが「ちょっと学校行こうかな」とか「そろそろ将来のこと考えないとな」など言っているのを聞いて、Nも放課後登校するようになりました。
同じく不登校の下の子も、Branchで知り合った子とずっとお友だちで、普段自分で「遊びたい」って言うことが全くなかったけど、その子とは遊びたくてオフラインで会ったりもしました。最後は1月に会って、オンラインでは毎週遊んでいます。
Nは、外に気持ちが向いてきました。
安心して「家の中にいていいよ」って時期を抜けてきて、「外でできることを探そうか」というフェーズになってきています。
不登校や行き渋りがあり、今まさにお困りの保護者さんにメッセージ
子どもに向き合い続けるのは大変だと思うけど、「子どもが傷つかないのが一番」と考えて選択していくと良いとも思います。
学校に行くにしろ行かないにしろ、子どもが傷つかないことを一番に考えて決めていくのが一番いいんじゃないかなぁと。
自分がゴールデンウィーク明けから9月まで無理やり連れて行っていて、あまりあの期間は長引かせない方が良かったなと今は思います。
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発達障害や不登校の子の「友だちができる。安心できる居場所」とは?
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「学校外で友だちができる」Branchオンラインフリースクール
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