「朝起きられない」「朝起きたくない」から「学校に行きたくない」。
意外と多いこの理由。
「なまけてるな」「だらけてるな」と思うと思いますが、実は様々な理由があります。
発達障害や不登校のご家族が集うBranchオンラインフリースクールにて、アンケートを取った内容とともに、この理由について深堀りしていきたいと思います。
現在の状況:お子さんは朝起きていますか?朝はどんなご様子か教えてください。
まずはBranch保護者のみなさんにざっくばらんに質問してみました。
- 7時半頃には起きているが苦手です。タブレットでYouTubeを流して覚醒させているが、時々それが嫌な時があり怒ります。おまじないと称して寝る前に、明日何時に起きます!起きたら○○します!と、自分で言い聞かして寝ます。効果があるのかないのか…
- 朝は他の兄妹と共に早めの時間に起きています。今は早く起きて原神などのゲームをしたいようです。
- ロングスリーパーなので10時間以上寝ないと起きた後体調が悪いようです。(母もロングスリーパーなので気持ちはわかります)10時間以上寝れる日は、9時にはそこそこ元気に起きてこれるようになりました。
- 平日の朝は全然起きないので、背中を支えるなど物理的に体を引き起こして起こしています。
- 就寝時間がだんだん遅くなってきて0時ぐらいになっていますが、昼夜逆転には至っていない程度には朝起きています。
- 不登校になってから、少し起き出す時間が遅くなりましたが、下の子が学校に出かけた後に8時から8時半くらいに起きます。ただ、他の人に、皆んなが忙しく出かけていく朝の時間が一番嫌い、と伝えていたことを最近知りました。
- 長男(中1)は、平均10時、次男(小5)は、平均8時に起床です。
長男は、以前から寝つきが悪いので(布団に入っても2、3時間寝られなかったり)、朝はその分起きられません。起きるのが、苦手です。次男は、ほぼ毎日同じような時間に起きられます。夜更かししすぎなければ、朝は起きられる方です。 - 不登校真っ最中の昨年冬は自分から起きることは余りなかったですが、最近はゲームをしたいがために朝6時でも起きてきます。もちろん寝る時間も9時過ぎと早めです。9時過ぎに眠たくなるように逆算してお風呂には8時半ころに入ります。普通過ぎて参考にならないのですが…
やはり朝の時間が苦手なお子さんが多く、特に平日が苦手なお子さんが多いようです。
対策:「早起きが良いこと」という考え方を、押し付けたくない
次に、保護者の方が朝起きない(起きるのが苦手な)お子さんに対して、どんな対応をしているのかまとめていきます。
- 昼間あまり活動しないので、夜眠れないこともあるようですが、最近はリクエストされて添い寝をするとすんなり眠れるようです。
- 寝るのを怖がって就寝が遅れ、それに伴い起床も10:30過ぎと遅くなっていたのですが、私が彼の入眠に付き合うのに限界がきたため「ママは仕事に行かなきゃいけない、だから寝る前にお喋りしたいけど、23時過ぎたらできない。」と伝え、23時過ぎは無愛想な対応にしたところ、夜更かししなくなりました(時々パパと遊んでいて遅くなりますが)。そうしたら朝も起床できるようになっています。
- 部屋を明るくする、変なことを言って笑わせる、前日の出来事や朝のニュースなどの話題も、脳の目覚めに効果があるかなと思ってしています。
休日は誰より早く起きて活動していたりするので、起きられないのは気持ちの問題かな、と思っています。 - うちは寝つきも寝起きもいいので、本人の気持ち次第なところがあり、朝は無理に起こさず起きたら「自分で起きて偉いねー!」とほぼ毎日言っています。
- 朝起きるのが苦手な長男ですが、土日に好きな配信者さんの動画を見たくて、自力で早起きすることも結構あります。なので、目的があれば起きられるのだとわかったので、親からの声かけはしていません。あとは、「早起きが良いこと」という考え方を、押し付けたくないと思っていて。早起きしても、遅く起きても、あえて「おはよー」とだけ声かけするようにしています。
- 起きますが布団から出るまではひと手間です。リビングまで布団で巻いたまま運んでほしい、くすぐって起こしてほしい、鬼ごっこしよう、など起きる前に何かお願いされることが多いです。
毎日のことなので私自身が嫌にならない範囲で対応しつつ、気持が切り替えられそうなタイミングを見計らってリビングに移動しようと声をかけています。
以下にコメントをまとめます。
- 添い寝をして、早く寝られるようにする
- 自分が明日仕事だから、遅くまでは付き合えないよと伝え、早く寝られるようにする
- 部屋を明るくする
- 変なことを言って笑わせる
- 前日の出来事や朝のニュースの話題を伝える
- 「自分で起きて偉いねー!」と褒める
- リビングまで布団で巻いたまま運ぶ
- くすぐって起こす
- 鬼ごっこする
お子さんの年次にもよると思いますが、様々な対応をされていますね。
私が考え方として大事だと感じたのは「『早起きが良いこと』という考え方を、押し付けない」ということ。
一般的に良いことだとされている「早起き」ですが、それも一つの考え方であって、夜が得意な大人もいます。
「一般的な正しさ」に惑わされず、お子さん一人ひとりの特性を見て対応したいですね。
朝の時間というのは「学校に行くか、行かないか」の決断を毎日迫られている
学校に行ってないお子さんの場合、「朝起きられない」という時、こんな考え方もあります。
親御さんなり学校の先生なりが「今日はどう?」「そろそろ学校行かない?」みたいなプレッシャーをチマチマとかけているとすると、特に朝の時間というのは「学校に行くか、行かないか」の決断を毎日迫られるというプレッシャーと戦わなきゃいけないわけです。
だから朝起きたくないっていう気持ちがどこかであるわけです。
ゲームをずっとやっていて、睡眠が安定しません- 本田秀夫先生インタビューより
朝寝ちゃってたら「学校行け」っていうプレッシャーと戦わずに済む。
上記アンケートの中でも「平日の朝は全然起きない」「休日は誰より早く起きて活動していたりする」という声がありましたが、「平日朝は、学校に行くか/行かないかのプレッシャーから逃げるため朝起きたくない」という心理的側面がある可能性があります。
中々難しいかもしれないですが、お子さんのメンタルのためにも、無駄なプレッシャーをかけるのをやめ、もし学校側からそういったプレッシャーがあるのであれば、教育機会確保法(※)のことなども伝えプレッシャーから守ってあげましょう。
※教育機会確保法については下記の記事が詳しいです。
小学生が不登校になる理由を知っていますか?
起立性調節障害が原因で起きられないお子さんもいる
また、原因の一つとして「起立性調節障害」が理由で起きられないお子さんもいらっしゃいます。
起立性調節障害とは、どのような症状なのでしょうか。
たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴い、思春期に好発する自律神経機能不全の一つです。
起立性調節障害 – 一般社団法人日本小児心身医学会
過去には思春期の一時的な生理的変化であり身体的、社会的に予後は良いとされていましたが、近年の研究によって重症ODでは自律神経による循環調節(とくに上半身、脳への血流低下)が障害され日常生活が著しく損なわれ、長期に及ぶ不登校状態やひきこもりを起こし、学校生活やその後の社会復帰に大きな支障となることが明らかになりました。
発症の早期から重症度に応じた適切な治療と家庭生活や学校生活における環境調整を行い、適正な対応を行うことが不可欠です。
小学校高学年~中学生のお子さんを持つ保護者の方から、相談を受けることも多い「起立性調節障害」。
知らないと「うちの子はいつまで怠けてるんだろう」と辛く当たってしまうこともあるかもしれません。
起立性調節障害:どのような症状があり、どのような課題がありますか?
起立性調節障害に関しても、Branchの保護者のコメントをまとめます。
- いじめなどが原因ではなく、起立性調節障害で不登校になりました。
- 起立性調節障害が原因で学校に行けていません。授業がつまらないらしく、行く気持ちになりません。また、同級生で話が合う人が見つからず、孤独になっています。
- 私立に中学受験。入学後、熱が出て病院へ行くと、偶然に先天性の病気が見つかりました。その影響で1学期はほぼ行けず、起立性調節障害も発覚。検査入院して、生活リズムを改善していますが、精神的に参ってしまって9~11月はボロボロの状態です。
- 下の子が起立性の診断が出ています。軽度で薬もよく効いていて、最近は起きれなくて困ることもないのですが、小中学校が一律で早朝開始なのが一番困ります。 高校は最近は三部制のところもあると聞きますが、小中学校にももっと柔軟に対応して欲しいです。もっと病気のことが広く知られて欲しいです。
- 平日の朝は寝起きが悪く、休日はやたら早く起きてゲームしたり好きなことをして過ごしてます。朝起きれないのは、かなり精神面が影響すると感じてます。 朝ごはんを楽しみな食べ物にしてあげたり、一緒に朝取り組む楽しい約束をしたりで平日の朝を何とか乗り越えてます。
- 私たちの住んでいる地域の公立の学校はまだ発達障害への理解が遅れており本人が選択できる幅があります。私立中学受験をめざして頑張っていましたが、この夏、起立性調節障害を発症。急に全てのやる気がストップしました。頑張っていっていた塾もやめることになり、朝も病状から起きられず自堕落な生活へ。どんどん深みにはまり学校にも行けず、目標だった受験への意欲もなくひきこもって、ゲームをしたりだらだらしてる毎日です。友だちも求めないので体はなまりイライラしては母に暴言をはいたりで、現状打破をさせたくても今の状況を受け入れられないでいます。
起立性調節障害が原因で学校に行けなくなったお子さんも多いです。
お子さんに当てはまると思った場合は、診察してもらいましょう。
まとめ
様々な理由で「朝が起きられない」状況にいるお子さんですが、あまりお子さんの立場に立てず「怠けているな」で済ませてしまう場合が非常に多い問題だと思います。
お子さんを信じて、周りと違うからといって無理に周りのペースと合わさせようとせず、そのお子さんだけのパーソナルな対応を心がけたいです。
発達障害や不登校の子の「友だちができる。安心できる居場所」とは?
Branchでも1つの解決策として、不登校・発達障害があるお子さま向けの「学校外で友だちができる」オンラインフリースクールを運営していて、以下のような特徴があります。
- 同じようにお子さまの「睡眠」や「発達障害」「不登校」などで悩まれている保護者の方達がなんでも自由に悩みや困りごとを相談できる安心できるコミュニティや、家族以外の人との関わりが減ってしまった不登校のお子さま達が自分の「好きなこと」をきっかけに安心できる居場所や、友達ができるようなサービス。
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もあり、サービス継続率は約95%以上。
- 小学校低学年のお子さまはもちろん、どんな子でも楽しく参加できるようにスタッフがお子さま一人ひとりに寄り添ったサポートを徹底。
Branchオンラインフリースクールは1ヶ月無料体験ができるので、ご利用を迷われている方は一度お気軽に無料面談予約をお申し込みください。
「学校外で友だちができる」Branchオンラインフリースクール
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