Branchユーザーさんからの「不登校」や「行き渋り」に関する質問を、本田秀夫先生(信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授)にお尋ねしました。
その内容の一部を紹介していきます。
YouTube▷「学校行きたくない」の言葉は子どもにとっては問題の始まりではなく最終段階【信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授本田秀夫先生】
保護者からの質問「周囲と自分の違いに気付いて子どもの自尊心がズタボロになってしまうことがあります」
周囲と自分の違いに気付いて子どもの自尊心がズタボロになってしまうことがあります。
そんな時に、どのように対応するのがいいでしょうか?家庭では「ありのままのあなたでいいよ」と伝えていますが、やはり周囲と同じように動けないことに劣等感を感じてしまうようです。
本田秀夫先生の回答
劣等感を克服しなきゃいけないという価値観を持たないように周りが接する
実はこの質問だけで正確には答えられないんですけど、こういう質問をされた時にどんな風に僕が考えるのかっていうことをちょっとお話します。
こういう風になるまでのプロセスで、「お子さんがどんな経過を辿ってきて今の状態なのか」ということと、お子さんがこういう風になってしまう前の段階で、過去に「親御さんとか学校の先生がどんな声かけをしてどんなことを目標に置いて育ててこられたのか」ということによってちょっと違うんですね。
これまで親御さんが子どもさんの特性を早い時期から分かっていて、ご家庭では子どもさんの自尊心が崩れたり、過剰な劣等感を持たないように配慮して育ててこられてた場合ですが、そうは言ってもやっぱり思春期前後になってくると他の子との違いには気が付くんですよね。
外の世界では自分が必ずしも色んなことがうまくいかないで劣等感を持つってことがあるんだけど、それは自発的に湧いてきた劣等感なので、ある意味自分で解決ができる可能性は十分あるんです。
ところが、それまで育ってきた家庭の中で、発達の特性に配慮されない教育の仕方をしてきているとリスクがあります。
特に僕がよく言ってる「過剰訓練タイプ」の育て方というのがあって「苦手なことを持つ人間はダメな人間だ」みたいな価値観をチラつかせながら苦手なことを克服するのを頑張らされて育ってきたというようなプロセスがもしあったとすると、その後、子どもさんが周りが止めるのも聞かずに「苦手なことを頑張ろう」と思いすぎちゃったりとか、過剰に劣等感を持ってちょっと立ち直りにくくなっちゃったりとか、精神科の受診が必要なほどに鬱状態になってしまったりするリスクがあるんです。
この方の場合、親御さん自身はご本人の特徴を分かってらっしゃって今現在はそんなにその劣等感を克服しなきゃいけないという価値観をお持ちじゃないようですので、ご家族の接し方としては今のままでやってくしかないと思うんです。
それから学校のこの方に関わる大人の方が「苦手なことを克服するよう頑張れ」みたいな接し方を絶対にしないようにして頂いて、なるべくご本人がご自分の中の悩みとして抱きながらもいずれそれを克服できるようなサポートをしていくということになるんじゃないかなと思います。
今、日本っていうのは世界に冠たる劣等感大国。
劣等感はしょうがないですよね、誰だって劣等感を持ちますから。
今、日本っていうのは世界に冠たる劣等感大国ですよね。
学力がそこそこ高いにも関わらず自信のなさにかけては世界一。
世界一自信がないお子さんを育てる技術に優れている国なので、その中で多少の劣等感を持つのは他のお子さんもそうなので、しょうがないと思います。
あとはそれこそご本人がなんでも全ての事に劣等感を持つのではなくて、自分が好きなこととか「これやってる間は自分はハッピーだ」と思えるものがあるかどうかじゃないでしょうかね。
そういったものを見つけていくということじゃないかと思います。
いかがでしたか?
親や周りの大人が「みんなと同じようにならないといけない」という価値観で、子どもに苦手なことを克服するようにしむけると、後々それによって鬱状態などになってしまうリスクがあります。
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