こんにちは。不登校や発達障害のお子さんと保護者さんのための居場所、Branchコミュニティを利用しています、ライターのタカハシです。
今回は、不登校や行き渋りのお子さんの送迎への悩みやその対策について、Branchオンラインコミュニティでのやり取りから見えてきたことをお伝えしたいと思います。
子どもの不登校で膨らむ保護者の負担
Branchのオンラインコミュニティに集う子どもたちの多くは、不登校を経験しています。おうち時間を満喫中の完全不登校の子もいれば、好きな授業や気が向いたときだけの不定期登校をしている子、フリースクールなどに定期的に通っている子など、それぞれが今の自分にいちばん合ったスタイルで生活しながら、交流を重ねています。
ただ、子どもがこのような不規則な通学リズムになると、私たち保護者の負担はどうしても大きくなりがちです。
そうした、不登校や行き渋りの子どもを育てる保護者の悩みの一つが、学校やフリースクール等への送迎という問題です。
子どもが学校への拒否感を示しだしたときに、突然降ってわいたように目の前に現れる問題であり、また、外出困難な時期から回復してきた子が、次の段階へ進もうと一歩外へ踏み出したときに直面する問題でもあります。
Branchの会員コミュニティでも、しばしば送迎をめぐるぼやきや共感の声が聞こえてきます。
「送り迎えや先生との毎日の連絡もストレスだったので。行く行かない、遅れるなど電話恐怖症になりそうで💦謝ってばかりでした」
「週一くらいの登校ですが、行く行かないの葛藤は毎朝です。朝学習や朝の会に参加する気はなく、これと決めたコマだけ行くため、送り迎えが必須です。本人頑張ってますが、私は自分の予定が立てられない毎日で、かなりキテマス」
「休むことを認めつつあるときは、登校できそうなときは、行けるときに一緒に行くようにして、保健室で過ごしたり、しんどいときはすぐに迎えにくるからね、と言って、ほんの少しでも行けそうなときは、送り迎えをしました」
「送り迎えや先生との連絡はものすごいストレスですよね」
また、母子登校・付き添い登校についての以前の記事にも、次のような体験談があがっていました。
「行き渋り時は、「行く」となったときは車で送迎。学校に着いても車から降りられず、車外で出てくるのをぼーっと待っていました。なんで行きたくないのかなぁと考えたり、たまにイライラして叱責したり」
不登校の子どもに送迎が必要なケースとは
不登校、行き渋りの子の送迎が必要となってくるケースは、いくつかに分類して考えることができます。
ひとつは、学校が決めたルールによって、一般とは違う時間帯の登下校には大人が付き添わなければならない場合です。私の娘が在籍する都内の区立小学校でも、入学時に配られた資料にそのような記載がありました。子どもたちの安全を守るための配慮であることを思えば、遵守に苦労が伴う一方で、無碍にもできない決まりごとだと個人的には感じています。
次に、子どもの側が「一緒に来てほしい」「学校まで送ってほしい」などと希望してくるケースです。学校が送迎を求めない中学生以降など、比較的大きな年齢のお子さんについても、こうした例を耳にすることは少なくありません。
この場合は登校そのものへの不安感や気まずさが理由になっているので、付き添い登校(母子登校)という形に発展することも多いようです。付き添い登校(母子登校)とは、子どもと教室の中で一緒に過ごしたり、廊下や別室で待機したりすることです。この場合、保護者の負担は単なる送迎よりもさらに大きくなるでしょう。付き添うことで「少しでも学校へ行けるのであれば」との思いから、時間をやり繰りされている保護者さんの苦労は、先にもあげたこちらの記事でも紹介されています。
最後に、フリースクール等へ通う場所を変えたことによって、送迎の必要が生じるケースです。
子どもの進学先を選ぶとき、ほとんどの保護者が通学手段の確保を最重要事項のひとつとして考えるのではないでしょうか。家から近かったり、集団登校やスクールバス等の手段が用意されていたり、保護者自身が無理なく送迎することが可能であったり。そうした安心から遠ざからざるをえないのが、不登校です。
また、学校へ行けなくなった子どもの新たな居場所としてフリースクール等を検討したとして、運良く子どもがひとりでも通えるところにあるとは限りません。わが家の場合も、電車で数駅離れたフリースクールに通っていたとき、外出困難からの回復期であったこともあって送迎が絶対の状況でした。自宅マンションと隣接する小学校の前を通って駅に向かいながら、「ここに通えてたらなあ」と心の中で何度ぼやいたかわかりません。
保護者の負担の中身とは
こうした送迎の必要性は、具体的には保護者にとってどのような負担となっているのでしょうか。おおまかには次のようにまとめることができます。
- 行く、行かないという葛藤に付き合う心理的負担
- 予定が立てづらく、就労の足枷になったり保護者の社会的孤立につながったりする
- 交通費や待ち時間を過ごすための飲食代などの金銭的な負担
不登校や行き渋りのある子がしばしば見せる「やっぱり今日は行ってみようかな」「今日は1時間だけで帰りたい」といった気持ちの揺れに、しっかりと向き合い、寄り添おうとすればするほど、保護者にとっては大きな負担として返ってきます。学校などとの連絡も、「きちんとしなければ」と思うほどつらく大変なものになってしまうでしょう。
実際、学校であれフリースクールであれ、朝の葛藤に付き合う保護者の心理的負担はかなりのものです。子どもと対峙するストレスだけではなく、予定の立てにくさから就労を諦めざるを得なかったり、保護者自身の友人等との交流にも支障をきたしたりと、社会的な孤立につながる直接的な原因ともなってくることもあります。
また、3つ目にあげたような金銭的な負担も、じわじわと積み重なってくる問題ではないでしょうか。特に私立学校やフリースクールに通う場合などは、自宅から離れていることや、敷地内で待つことができないなどの事情で、出ていくお金が少なくない場合もあります。このような子どもが不登校になったときに家庭が受ける経済的な打撃については、教育格差につながる課題として、社会全体で考えていかなければならないと私は思っています。
送迎の負担軽減のためにできること
では、こうした送迎の負担に対して、具体的にどのような対処が考えられるでしょうか。
まず、送迎そのものを他の人に代わってもらうという方法があります。祖父母や親戚などが近くに住んでいれば頼みやすいかもしれませんが、そうでない場合は、行政のファミリーサポートセンターやスクールソーシャルワーカーを利用することができます。
ファミリーサポートセンター事業は、地域の手伝いを必要とする家庭と手伝いたい人を結び、支え合う仕組みで、市区町村ごとに行われています。(※厚生労働省のパンフレットにわかりやすく説明されているので、必要に応じてご確認ください。)
都内の自治体を例に調べてみると、ファミリーサポートは概ね1時間800円程度の費用で、小学校6年生まで利用可能となっていることが多いようです。ただし、「18歳まで」あるいは「育児サポートを必要としている人」となっている場合などさまざまなので、まずは在住・在勤・在学の自治体に確認されることをお勧めします。
スクールソーシャルワーカー(以下、SSW)は、学校と家庭、さらには学校外の専門機関との間に立って子どものための問題解決にあたってくれる教育・福祉の専門家です。こちらは文部科学省が主導する事業なので、学校や教育委員会に配置されていて、通常は学校を通じて支援を依頼する形になります。(※文科省のSSW事業のサイトはこちら)
Branch会員の利用例を見てみると、自宅に来てもらって一緒にゲームをしたり、外遊びに付き合ってもらうほか、担任との面談のときに保護者に付き添ってくれたり、連絡・橋渡し役をやってもらえたりと非常に多岐にわたっています。「一言で言うと、オーダーメイドで何でもやりますよといった役割のよう」と感じていらっしゃる方もいました。
このSSWに送迎や付き添い登校をお願いすることも、選択肢のひとつになります。中には、SSWという学校と家庭の間に立つ人に送迎してもらうことで、先生と顔を合わせる機会が減り、受けるプレッシャーが軽減したという副次的なメリットがあったケースもうかがえました。
他にも、送迎の負担を軽減するために、独自の工夫をされている例も見受けられます。フリースクールの一角でリモートワークをさせてもらっていたり、「行く・行かない」は前日の〇時までに決めると子どもと約束をしたり、といったものがその一例です。
わが家の場合は、フリースクールへの行き渋りが続いた時期に、思い切ってお弁当作りをやめたことがあります。費用は多少かさみますが、「もしも行くとなったら途中で何か買って行けばいい」と割り切ることで、朝の慌ただしさと行かなかったときの徒労感が減り、結果的に送迎そのものの負担感を軽くすることに繋がりました。
子どもの送迎は、保護者にとって多方面で大きな負担となる問題です。お子さんの状況や家庭の事情によっても、全てを簡単に解決することはできないケースが多いとは思いますが、使える制度や先人の知恵をうまく取り込み工夫しながら、少しでも負担を軽くしていけるといいなと思っています。
発達障害や不登校の子の「友だちができる。安心できる居場所」とは?
Branchでも1つの解決策として、不登校・発達障害があるお子さま向けの「学校外で友だちができる」オンラインコミュニティを運営していて、以下のような特徴があります。
- 家族以外の人との関わりが減ってしまった発達障害や、不登校のお子さま達が自分の「好きなこと」をきっかけに安心できる居場所や、友達ができるようなサービス。
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もあり、サービス継続率は約95%以上。
- 小学校低学年のお子さまはもちろん、どんな子でも楽しく参加できるようにスタッフがお子さま一人ひとりに寄り添ったサポートを徹底。
Branchオンラインコミュニティは1ヶ月無料体験ができるので、ご利用を迷われている方は一度お気軽に無料面談予約をお申し込みください。