好きなことはたくさんあるけれど、将来、何の役に立つのだろう?
今”やりたい”ことよりも、仕事に結び付きそうな”できる”ことを伸ばして欲しい。
幸せを願うからこそ、お子さんを見守るご家族の心配は尽きないと思います。
Branch roomに通うAちゃんは小学校4年生。
好きなこと・やってみたいことがたくさんある、誰にでもフレンドリーに接してくれる女の子です。
ご両親は、「子どもたちには”好き”なことで広がる多様な未来がある」と信じ、Aちゃんのやりたいことを全力でサポートされています。
今回は、自分らしくいられる居場所の見つけ方、子どもの「好き」から見える将来像について、ご両親にお話を伺いました。
ーーBranch roomを利用しようと思ったきっかけを教えてください。
お母さま:知人からの紹介がきっかけです。
娘はやりたいこと(キャンプ、水泳、ピアノなど)や好きなこと(美術館、博物館、旅行、創作)が多いので、全てを親がサポートするのは結構大変で。
親だけではすくいきれない本人の興味関心を、より丁寧に観察してもらうことが今後の学びの参考になる、と思い通い始めました。
ーーBranch roomに通い始めて、お子さんにどんな変化がありましたか?
お母さま:Branch roomでは毎回何をするかは決めていかず、本人のやりたいこと(Switchでゲーム、iPadでプログラミング、カードゲーム、木工パズル、実験、工作)をスタッフさんと楽しんでいます。
以前の彼女は、学校や習い事の先生が怒る・怒らないで物事を判断しているところがありました。
でも最近は、自分の中から湧いてくる”やりたい”気持ちに気づいて行動しているように思います。
自立心は、「自分で決めていい=自主性」を尊重してもらえる環境で育つのですね。
Branch roomの個別プログラム(※1)も、娘には合っている気がします。
(※1)お子さまの好きなことを深掘りしていく個別探求プログラム http://branchkids.jp/articles/38
安心感のある居場所で「誰と」「どのように」過ごすか
ーー学校や他の習い事とBranch roomでは、Aちゃんの様子はどう違いますか?
お母さま:安心感と本人のモチベーション(意欲)が違うように思います。
学校や一般的な習い事では「成果」が目的の場合が多く、気分が乗らない時にいかにやらせるか、という状況も多々あります。
最初の1、2回は本人も楽しもうとするのですが、回数を重ねていくうち、無理にやらせようとすると不安になり、泣いてしまうこともありました。
Branch roomではそういうことが一度もないので、私たちも驚いているんです。
また、同じ習い事でも人が変わるとやる気が全然違うので、「誰と」やるかもとても大事な気がします。
娘にとってBranch roomは、好きなことに没頭できる居場所。
いつ行っても絶対に楽しめる、という安心感があるのかな、と。
安心感のある場所で、本人の気持ちに寄り添い一緒に楽しんでくれる人と過ごす。
彼女のモチベーションにスイッチが入る条件はこれかな、と思っています。
誰にでも輝ける場所がある。幸せを感じられるコミュニティがあれば、居るところを変えていい
ーー安心感のある居場所では、誰もがやりたいことで輝ける気がします。そういう場はどうやって見つけたらいいでしょうか?
お母さま:お子さんの性格にもよるかもしれませんが、親が子どもの「やってみたい!」を信じてそれに答えていたら、会うべき人や場所に導かれていく気がしています。
そこで、親が面倒くさいからといって「それはいいんじゃない?」とか「向いてないよ」なんて言ってしまうと、色々な扉が閉じていってしまう気がして。
そうならないように気をつけています。
ーー子どもの好き、やりたい気持ちを大人が評価しない。とても大切なことですね。
お父さま:私たちは国内外問わずよく旅をします。
旅先で出会う多国籍の方々は、サービス精神いっぱいの娘に「君はspecialだね」と言ってくださるんです。
いい意味で「特別」と言われたら、誰でも嬉しいですよね。
本人が輝けるのであれば、それが日本ではなくても、海外でもいいと思うようになりました。
子ども一人ひとりに理解を示してくれる優しいコミュニティを、私たちも探しています。
子どもたちには「好き」なことで選択できる多様な未来が待っている
ーー居場所がみつかった先のAちゃんの今後を、どう捉えていらっしゃいますか?
お母さま:今はまだ存在していない働き方、より個別化された職業が今後生まれてくると思っています。
企業に就職するだけではない多様な選択肢、個人らしさが活かせる働き方を開拓する、「創る」。
親も、そういう気持ちを持ち続けていようと思っています。
以前学校で味噌作りをした時、発酵デザイナー・小倉ヒラクさん(※2)のお話になったんです。
昨年伺った東京都美術館の『おべんとう展』では、アニメーションに釘付けで。
これを創った人は、Branch roomでいつも遊んでくれる中里さんのお友だちなんだよと伝えたら、より興味を持ち始めました。
身近で作品を出されている方(ロールモデル)との出会いが起点となり、その人がいる世界、業界、仕事の種類がつながりかけている気がします。
今後は、”楽しむ”から”創る”側にもなれるということを伝えていきたいと思っています。
※2 発酵デザイナー・小倉ヒラクさんのHP http://hirakuogura.com/ 著書に「発酵文化人類学」
Aちゃんの笑顔のため、住む場所、通うところを丁寧に探されてきたご両親。
インタビューを通じ、「居場所は世界中にある」と気づかせてもらえました。
お二人の言葉は前向きであたたかく、それはAちゃんだけではなく、どのお子さんの未来にも向けられているように感じました。