Branchユーザーさんからの「不登校」や「行き渋り」に関する質問を、本田秀夫先生(信州大学医学部 子どものこころの発達医学教室 教授)にお尋ねしました。
その一部を紹介していきます。
YouTube▷「学校行きたくない」の言葉は子どもにとっては問題の始まりではなく最終段階【信州大学医学部子どものこころの発達医学教室教授本田秀夫先生】
保護者からの質問「ゲームをずっとやっていて、睡眠が安定しません」
不登校になって2年以上経つ息子についてです。
マインクラフトやフォートナイトなどが好きで、ゲームをしたりゲーム実況動画を見たりしている時間が長いです。その影響もあって、寝る時間が遅くなっていっています。このままで良いのか心配です。
本田秀夫先生の回答
ゲームぐらいしかやれることがないのでやむを得ずやっている場合が多い
大学の外来だとこういう方をいっぱい診ているんですけど、ゲームをやっていて夜更かししてしまう方は、大きく2つのパターンがあります。
少ない方から言うと、本当にゲームの依存の状態になってしまう場合。
だからゲームをやり始めたら本人のコントロールが効かずにやらざるを得なくなっちゃってやめられない。
ゲームがある限りはもう他のこと一切やりたくなくなっちゃうっていう方。
もう一つは、ゲームぐらいしかやれることがないので、やむを得ずやっている方。
実はこっちの方が多いんです、本当は。
朝の時間というのは「学校に行くか、行かないか」の決断を毎日迫られている
なので、基本的に普段ゲームをやっていて睡眠が安定しない方への対応は、まずは今言った2つのうちの後者の可能性を考えます。
後者の可能性を考えると、何が起こってるかって言うと、昼間って学校に行かなきゃいけない時間帯なわけです。
もしこれで、親御さんなり学校の先生なりが「今日はどう?」「そろそろ学校行かない?」みたいなプレッシャーをチマチマとかけているとすると、特に朝の時間というのは「学校に行くか、行かないか」の決断を毎日迫られるというプレッシャーと戦わなきゃいけないわけです。
だから朝起きたくないっていう気持ちがどこかであるわけです。
朝寝ちゃってたら「学校行け」っていうプレッシャーと戦わずに済む。
Branch roomでプロジェクターに映してマインクラフト
日中ダラダラするのが、不安やストレスから逃げるための最も合理的な手段
あともう一つは、昼間っていうのはみんな学校に行ってる時間帯なので、特にフォートナイトとかマインクラフトとかオンラインで他の人とやるようなゲームだとあまりやってる人がいないわけですよね。
だから昼間はじっくり休んで、夕方以降のみんながゲームにオンラインで入ってくる時間帯から活動する方が合理的なわけです。
そういう意味で「日中はダラダラ寝たりダラダラ過ごしたりしていて夕方から夜中にかけて最も活動が盛ん」というのが、こういう人たちにとっての自分の不安やストレスから逃げるための最も合理的な手段になるわけです。
こういう方の場合に、寝るのを早くしたら朝ちゃんと起きてひょっとすると学校にも行くんじゃないかって考えるのは全く見当違いです。
要するに「学校に行きたくないけど代わりに昼間にやれる活動もないからやむを得ずゲームでもやるしかない」っていう、そういう心理からすると、ゲームをやめさせられたら「他にやれること何もないじゃん」って話になります。
そこから、下手すると「自分は生きてる価値がない」みたいになっちゃうわけです。
Branch roomで電車のレールを作る
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ゲームをやめさせる対応より、日中に楽しめる活動がないか
だからこういうタイプの方の場合、やはり日中に本人がやってみたい活動とか参加してみたい社会集団とか、そういったものが作れるかどうかということは試していく必要があると思います。
学校がどうしても難しい場合には適応指導教室なり、発達障害の方であれば放課後等デイサービスを少し使わせてもらうなど。
あとは不登校の方向けの居場所支援、フリースペースのような所があります。
そういう所に行く気になれるかどうか。
「日中にここだったら楽しく行けそうだ」という所が見つかれば、そういった所に行きながら、そこに行かない時間には相変わらずゲームはやると思いますが、外の居場所とのバランスが作れるはずなんです。全くどこにも行かずに夜中ゲーム三昧で日中寝てばかりで、社会参加する場所がないっていうのは確かにちょっと心配は心配なんですけど、だからといってゲームをやめさせるっていう対応よりは日中に楽しめる活動がないかどうかを時々検討してみる方が良いのかなという気がします。
いかがでしたでしょうか?
「ゲームをやめさせるにはどうすれば良いでしょうか?」「ゲーム以外の好きなことをどう作れば良いでしょうか?」という質問はBranchにもよく寄せられますが、上記本田先生のご回答のように、ゲームをやめさせるよりはお子さまの心理を理解して、対応していく必要がありそうです。
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