こんにちは。
『「好き」で自信を創り、「好き」で社会とつながる』をビジョンに、発達障害や不登校のお子さま向けのオンラインフリースクールやメンターマッチングサービス、教室運営をしているBranchの中里です。
サービスをリリースして3年弱経ちました。
苦手なことも多い発達障害があるお子さんの「マイナスな部分を克服しよう」ではなくて、「好きなことに向き合って伸びていく環境創りをしよう」と思い日々サービス改善をしています。
僕たちは我慢して勉強したり習い事をした先にあるものよりも、「好きで好きでたまらないので誰にも止められない!」ということを大事にすることが今の時代とても大事なんじゃないかって思っています。
「子どもの好きなことを見つける」のに邪魔してしまうもの
そんな好きなことを見つけよう、伸ばそうと思った時に必要なことってなんでしょうか。
端的に言うと「そのお子さんがしたいことをまずは邪魔しない」ということなのですが、それだけだと分かりづらいと思いますので、逆に好きなことを伸ばそうと思った時にそれを阻害してしまうものってなんなのだろうとまとめてました。
※事例は個人特定にならないよう、微妙に内容を変えて掲載しています。
1.学習に関係しないことを認めない
例えば「うちの子は数字が好きで、、、」「科学実験が好きみたいです」という場合は、それが学校の勉強に近しい場所にあるので、保護者の方もすぐに気づきますし、認められます。
ただ、そうじゃない場合は認知するのが難しいようです。
以前にこんなことがありました。
保護者の方から「科学実験が好きなことは分かるけど、それ以外がわからない」というお話を受けて、最初に普段お子さんがどんなことをやっているかヒアリングさせて頂きました。
「ピタゴラスイッチのような装置を創る」「地図を見る」「隣の部屋から聞こえることなど、小さな音に敏感」などのお話を頂きました。
とても好奇心旺盛なお子さんで、何かで遊ぼうとしてもたいてい5-10分ほどで他のことに興味を持ちます。
途中から僕の財布の中からお金やカードをばら撒いたり、僕の鼻や口に指を突っ込んで遊んだり(笑)、というようなお子さんでした。
でも、地図のお話の際に「天気予報が好きでそこから関心を持ったかもしれない」とお聞きしていたので、天気予報を一緒に見てみることにしました。
そうすると今までの多動ぶりがなりをひそめ、すごい集中力で天気予報を見始め、しまいには話を聞いていると何年前の天気なども覚えているのです。
別の日に科学実験などもやったのですが15分ほどで飽きてしまい、明らかに天気予報の際の集中力の方が高かったのです。
天気予報を毎日毎日すごい集中力で見ていることは保護者の方も見ているのですが、「科学実験」などの学校の勉強に比べると、少し分かりづらい興味である天気予報。それはどうも認知できなかったようなのです。
シンプルに「お子さんが放っておいた際に何に時間を使っているか」「お子さんの視線の対象はどこにあるか」などの観察をして、学業に関係ないことでもまずは好きなこととして認めてみるのは大切です。
2.保護者側の教育観を大事にするがゆえに、好きなことをコントロールしようとしてしまう
好きなことをコントロールしようというのも中々難しいです。
お子さんが好きなことの根源には「お母さんが好きだったから」「近所のおじさんがやっていたのを見て興味を持った」などの話は良く出てきます。
なので、「興味を広げよう」と思い色々な体験をさせてあげたいな、というのは親としては当然ですよね。
ただそれが過剰になってしまい、その好きなことをコントロールしようと思ってしまう場合もあるようです。
保護者の方はそれぞれに当たり前ですが教育観があって「こっちの方向にお子さんが行ってくれたら嬉しいな」っていうのがあったりします。
・「学校の勉強を頑張ってほしい。できれば理系。」
・「今の時代には学校教育で学ぶ基礎学力は時代に即していない。STEAM(※1)などの分野が重要だ。」
・「社会の中で生きていく力が大切。人との関わり方をよく知ってほしい」
などなど。それぞれに大切だと思うことってあると思います。
ただ、それもすべてお子さんがそもそもそれを望んでいるかのベースが必要なのかな、と。
※1.STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(ものづくり)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた造語です。これら5つの領域を重視する教育方針を意味します。
・「学校の勉強を頑張ってほしい。できれば理系。」
→学校が大好きなお子さんもいますし、苦手なお子さんもいます。理系が好きになるかどうかも、お子さん次第。
・「今の時代には学校教育で学ぶ基礎学力は時代に即していない。STEAM(※)などの分野が重要だ。」
→おっしゃる事はとても理解できるのですが、STEAM系の習い事にたくさん言っているお子さんが「全然好きじゃないんだ」って言うこともあります。(実際にお子さんから聞いたりします)
・「社会の中で生きていく力が大切。人との関わり方をよく知ってほしい」
→これもすごい難しいのですが、少なくともそのタイミングでは人と関わりたくないんだ、っていうタイミングもお子さんによってはあると思います。
一人でいたいか、もしくは自分を肯定的に見てくれる人が少人数いればいいだけ、なんてこともあります。
このあたりは全部、その時々のお子さんの状況によるのかな、と。僕らはまずは声を聞いてみたいなというスタンスでいます。
3.時代に合わせようと過剰に習い事をつめこみすぎて、好きなことをする時間がない
興味関心を増やす目的でたくさんの物事に触れてもらいたいと言うのはみなさんそうなのかな、と思います。ただ、それが行き過ぎて学校・習い事で自由な時間が全くないという状況も保護者の方からヒアリングしているとまれにあります。
「今うちの子に学ばせるにはやっぱりピアノですかね?そういう本をこないだ読んで、、、。」などのようにお考えになり、過剰に習い事を入れており自由時間が全く無いようなお子さんもいます。
もちろん、そういう状況が楽しめるお子さんもいるのでそれはそれで良いのですが、自由な時間がないことに疲れを感じていたり、もっと長く自分の好きなことで遊びたいお子さんもいます。
なので、お子さんの表情や話からその状況を考えてみて、過剰に予定がつまっていそうだったら、もっと空きの時間を創るのも大切です。
4.実はお子さんの声を聞いていない
これはたまーになのですが、保護者の方が「うちの子は○○が好きなので、おそらく今日もこれをやりたがると思います」「Branch roomに来る前に○○をやっていたので、ここでもそれをやりたがると思います」などの声を聞いた後に、お子さんと僕が二人っきりになると「僕は○○全然好きじゃないんだよね、、、」とつぶやいたりする場合があります。
基本的に保護者の方も良かれと思ってやっているし、「自分の子どもを導いてあげるのが自分の役割」と思う部分もあると思います。子どもが生まれた瞬間のあの「自分が手を離しただけで死んじゃうような存在なんだ」って感情って中々抜けないと思いますし。
でも、お子さんも感情があるので、その時々でお子さんがどう思っているかをしっかり聞いてみるのも大事なのかな、と。
また、時が経つと好きなことも変化するので、定期的に「今の習い事楽しい?」などと聞いてみるのも大事です。
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他にもありそうですが、ザーッと書いてみました。
他にもたくさん工夫されている方もいらっしゃると思いますので、コメントやメッセージなどで教えて頂けましたら嬉しいです。
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この記事は代表中里のnoteを転載しております。