発達障害や不登校のお子さんを持つ保護者の方は、中学進学に関して、お子さんの状態や特性も踏まえて、その子に合った進路を考える必要があります。
なかなか学校では情報が取得しづらく、どう考えれば良いか分かりづらい中学の進路。
Branchの保護者の方と議論しました。
全体図
まずはみなさんの意見から出てきた全体図を記載します。
樹形図にまとめていますので、こちらをご覧ください。
下記が拡大版になります。
基本的にみなさん「○○に在籍し」「○○のフリースクールを利用」などのように、在籍校と他の居場所を確保する方法を考えていらっしゃいました。
こちらの記事でもそのように記載していきます。
どこに在籍するか
中学までは義務教育となりますので、基本的にどこかの学校に在籍していなければいけません。
発達障害や不登校のお子さんを持つ保護者の方は、在籍校の選択についてどのように考えているのでしょうか。
公立:通常学級-通級
公立の通常学級に在籍して、必要な時に通級に通う形式です。
通級による指導とは、小学校又は中学校の通常の学級に在籍している軽度の障害のある児童生徒に対して、主として各教科等の指導を通常の学級で行いながら、障害に応じた特別の指導を特別の指導の場で行う指導形態です(学校教育法施行規則第73条の21及び同施行規則第73条の22)。
小学校・中学校における特別支援教育
通級による指導を受ける子どもは、主に各教科の学習や給食などの時間はみんなと一緒に通常学級で過ごし、週に何時間かある通級による指導の時間だけ通級指導教室に移動して、それぞれの困りごとや課題に合わせた支援・指導を受けることになります。
個別に必要な支援や指導の内容が変わるので、障害の種類によって教室の種類もいくつかに分かれています。そのため、在籍する学校にその子のニーズに合った通級が設置されていない場合もあり、地域で定められた他校の通級指導教室に通うこともあります。
通級指導教室とは?対象は?通級による指導の内容や通い方、ほかの特別支援教育との違いを紹介します
公立:通常学級-適応指導教室
通常学級(もしくは固定の特別支援学級)に在籍して、適応指導教室を利用する形です。
適応指導教室とは、不登校児童・生徒指導や学校生活へ復帰を支援することを目的に、教育委員会および首長部局によって学校以外の場所や余裕教室等に設置された施設のことです。
教育支援センターとも呼ばれ、児童・生徒が在籍する学校と連携を取り、個別カウンセリングや教科書を用いた指導、集団での指導などを計画的かつ組織的に行います。教育相談室のように、児童・生徒の相談を行うだけの施設は含みません。
適応指導教室の実態と不登校児童・生徒の活動や支援策
Branchでは、不登校・発達障害があるお子さま向けに、安心して過ごせる居場所として、「学校外で友だちができる」オンラインフリースクールを運営しています。
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公立:特別支援学級-情緒/知的
Branchの保護者の方から一番多く声があがったのが、特別支援学級の情緒級に在籍することでした。
小学校、中学校等において以下に示す障害のある児童生徒に対し、障害による学習上又は生活上の困難を克服するために設置される学級。
文部科学省:特別支援教育の現状
【対象障害種】
知的障害者、肢体不自由者、病弱者及び身体虚弱者、弱視者、難聴者、言語障害者、自閉症者・情緒障害者
自閉症やそれに類するものや心理的な要因による選択性かん黙等がある児童生徒を対象としています。
特別支援学級では、人とのかかわりを円滑にし、生活する力を育てることを目標に指導を行っています。特別支援学級の自閉症・情緒障害のある児童生徒については、それぞれ小学校、中学校の教育課程の元、教育を行い、特別の教育課程を編成する場合には、特別支援学校小学部・中学部学習指導要領に示す自立活動を取り入れています。また、児童生徒の障害の程度や学級の実態等を考慮の上、各教科の目標や内容を下学年の教科の目標や内容に替えたりなどして、実態に応じた教育課程を編成しています。
文部科学省:自閉症・情緒障害教育
知的障害のある児童生徒には、学習によって得た知識や技能が断片的になりやすく、実際の生活の場面の中で生かすことが難しい傾向がみられます。
文部科学省:知的障害教育
そこで、特別支援学校(知的障害)では、実際の生活場面に即しながら、繰り返して学習することにより、必要な知識や技能等を身に付けられるようにする継続的、段階的な指導を行っています。
特別支援学校(知的障害)には、小学部、中学部、高等部等が設けられています。高等部には、普通科のほかに職業教育を主とする学科が設けられていることもあります。また、幼稚部を設けている学校もあります。
特別支援学校(知的障害)では、児童生徒の障害の状態などを考慮して、小学部における生活科をはじめとして、小学校等とは異なる各教科等を設定し、指導を進めています。
公立:特別支援学校
障害のある幼児児童生徒に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けること目的とする学校。
文部科学省:特別支援教育の現状
【対象障害種】
視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)
公立:不登校特例校・不登校特例校分教室
・不登校特例校
不登校児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施する必要があると認められる場合、文部科学大臣が、学校教育法施行規則第56条に基づき(第79条(中学校)、第79条の6(義務教育学校)、第86条(高等学校)、第108条(中等教育学校)において準用)、学校を指定し、特定の学校において教育課程の基準によらずに特別の教育課程を編成して教育を実施することができます。
不登校児童生徒の実態に配慮して特別に編成された教育課程に基づく教育を行う学校の概要
設置場所はこちらで見ることができます。
・不登校特例校分教室
分教室の形の不登校特例校は、文部科学省の定める設置基準を満たした学校への移行が想定されていることから、不登校児童・生徒への教育機会の充実が段階的に図られています。なお、施設整備に要する費用や関係者間の調整等に係る負担が比較的小さいことから、速やかに設置することが可能となります。
東京都教育委員会:<全国初>将来的に学校への移行を見据えた分教室の形の不登校特例校が設置されます
私立:困難のある強い生徒への理解・支援がある学校を探して受験する
私立に入ることを視野に入れている方もいらっしゃいます。私立中学校の中には、発達障害や不登校など、特性が強かったり、困難のある生徒への理解・支援が充実している学校もあります。お子さんに合う環境に出合いやすいかもしれません。
こちらでは、Branch内で話題にあがった学校について記載します。
国立:付属特別支援学校
国立大学の付属で特別支援学校がある場合があります。
こちらで一覧を見ることができます。
http://www.zenfuren.org/fuzokugakkouichiran.html
在籍校以外でどんなところを居場所とするか、学ぶ場所とするか
在籍学校には通えない場合の居場所や、通いながらもサポートを受けられる他の居場所を考える必要がある場合もあります。
フリースクール/民間の居場所:人気の場所
在籍校にはできませんが、様々な機関が居場所の提供をしています。
Branchの保護者さんの中で話題にあがった居場所を記載します。
その他
ホームスクーリング
ご自宅で、ご家族が勉強を教えたり、オンライン教材を利用して学習をする形です。Branch利用者の方にはこちらも非常に多いです。
市の不登校支援のサービス
市区町村によっては不登校支援サービスが設置されている場合があります。そういった機関を調べて利用します。
放課後等デイサービスでのフリースクール枠(日中利用)
放課後等デイサービスを「フリースクール」扱い利用できる枠が設けられている場合があります。行政によって対応が異なりますので、お住まいの地域で利用ができるか調べてみてください。
Branch利用者の方からは、下記のような声がありました。
不登校の子が平日午前利用ができて、個別学習支援があったり、居場所や学びの場として期待できます。ただ、行政によっては放課後デイの平日午前利用は認められないケースもあり、うちは杉並区なのですがダメでした。
障害のある子だけ税金でフリースクールに行けるのは公平でないという理由のようです。
近隣の区は大体問題なく利用できているようです。
Branchの保護者の方の考え方、組み合わせ方を紹介
ここからは、Branchを利用されている保護者の方々が、実際にどのように子どもの進学について考えているのか、在籍校と居場所の組み合わせ方について紹介していきます。
Aさん
- 公立中学校の支援級に行けるときだけ登校してホームスクール継続
- 公立中学校の支援級に在籍してSNEC中等部
- 公立中学校の支援級に在籍してN中(息子にはレベルが高そうなので頭の片隅に置いている程度)
こんな順番でイメージしています。①が一番現実的です。今息子の気持ちがとても落ち着いているので、しばらくのんびりしつつ、5年生くらいになったら色々見学や説明会に行ってみようかなと思っています。
Bさん
- 学区内の中学に進学。普通級、支援級利用できればする。
- 学区外の特別支援学級
- 適応指導教室
どちらにしても行けなければ、他に行ける場所を考える。(N中など)
ただ、今は外になかなか出られない状況なので、現実的に考えられていません。外に出られなければ、学習面はもう私が教えることは難しいだろうから、オンライン家庭教師とかも選択肢になるかなと、思います。
Cさん
- 不登校特例校分教室
- 公立通常級に在籍して、CONEC中等部
①か②がダメなら、他のフリースクール、もしくは、市の不登校支援のサービスを利用しながら居場所を探す、という形になりそうです。
Dさん
- 学区の中学に在籍
- N中、CONECに興味がわくといいなと思っていますが、本人次第です。
通うことは難しいと思うので、オンラインでの居場所を探していくイメージをしています。
Eさん
- 学区中学普通級には在籍のみ
- N中新宿に週3〜5日通学希望ですが、今のところ筆記試験の対策ができてなく……ネットコースかな?とも考えています。
ネットコースになった場合は、区の適応教室やフリースクールの併用など考えようと思います。週2日くらいは外との繋がりを持ってほしいと思います。
Fさん
- 公立中学校支援級(情緒クラス)
- 公立中学校普通級(本人は行きたい気持ちがある。今のところは、課題が沢山あり難しいです)
あと、知的グレーなので、5年生までにWISCか療育手帳の検査に行く予定です。
療育手帳がもらえた場合
- 公立中学校支援級(知的)
- 国立付属中学校支援級(知的)
- 特別支援学校中等部
知的クラスか?情緒クラスか?も課題があります。情緒クラスじゃないと、うちの中学校の支援級は内申点が付かないです。
本人の気持ちも大切に、選択肢の提示はしていきたいと思います。本人は今のところ、友達と同じ学校が希望です。
Gさん
現在小3、ADHD(注意欠如・多動症)とLD(限局性学習症)の診断があり、マイペースな点でASD(自閉症スペクトラム)の疑いもありと言われています。
①学区の公立
数カ月前に本人から突然「中学校行きたくない」との発言があり、話を聞くと通常学級級で過ごすことへの不安が強いようでした。今、在籍している支援学級もあると話したらほっとしていました。
②発達障害に理解のある私立中学
これは親の希望です、すみません。受験が必要になってくるので、勉強に苦手意識のある本人は「受験」という言葉だけで拒否反応を示しています。
③星槎フリースクールを利用
住んでいる地域の選択肢ですが、星槎がギリギリ通える範囲にあるので、公立に在籍しつつ、ここに通うのが現時点での着地点かなと。こちらも受験はあるようなので、現実はどうなるか未知の世界です。
本人がリアルでの繋がりを必要としているようなのでなるべくそれが叶う選択を、と思っています。個人的にはN中やCONECなども素敵!と思いますが、興味の幅が広く浅い本人には、理解があり且つ色々な世界への糸口を見せてくれる進学先がいいのかなと。
とはいえ、いずれも現時点での考えです。そして本人の希望が一番だと思っています。この先、色々あっても笑って過ごしていってほしいです。
Hさん
来年、中学校へ進級。現在、小6の息子(ASD)です。
一番現実味があるのが、
①地元中学に在籍して、フリースクールに月数回通う
②不登校の市内特例中学へ転校
全生徒数が50人程度らしいく、年度始まりが、5月スタート。在籍する学年構成数は、一年生二年生が、7~8人づつ、三年生が30人ちょっとらしいです。4月で不登校の生徒を拾い、5月に転校措置です。通っている子の保護者さんに話を聞きますと、温かな雰囲気だそうです。
③N中のネットコースへ中2か中3で入学
(地元中学に籍を置きながら、フリースクールにも月数回通いながら)
N中ネットコースでは、中2や中3から入学しても、ハンデは感じないそうです。ネットの世界では、基本、本人の歩幅で受講でき、自分の興味に応じて人と繋がれると聞きました。
Iさん
小6(ASD、LD)息子ですが、
中学の支援学級(情緒級)が学区にあるので、そこに籍はおき、現状維持(学校以外のオンラインで色々繋がる)かな、と思っています。
学校には行かない気はしますが、オンライン授業(中学)という方法で参加出来たらするかもしれません。(本人次第)
明蓬館の中等部も視野に入れていますが、通いだと難しいかなと思っています。
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学校内部についての詳細な口コミがBranchオンラインフリースクールには記載されておりましたが、変化もあるでしょうし、実際に正しいかは分かりませんので記事には掲載しておりません。
発達障害や不登校の進学についての口コミをお読みになりたい方はぜひBranchオンラインフリースクールにご参加ください。
発達障害や不登校の子の「友だちができる。安心できる居場所」とは?
Branchでも1つの解決策として、不登校・発達障害があるお子さま向けの「学校外で友だちができる」オンラインフリースクールを運営していて、以下のような特徴があります。
- 同じように「学校行きたくない」という気持ちを抱え、家族以外の人との関わりが減ってしまった不登校のお子さま達が自分の「好きなこと」をきっかけに安心できる居場所や、友達ができるようなサービス。
- NHKや日テレなど多くのメディアにも紹介され、本田秀夫先生との対談や、厚生労働省のイベントの登壇実績もあり、サービス継続率は約95%以上。
- 小学校低学年のお子さまはもちろん、どんな子でも楽しく参加できるようにスタッフがお子さま一人ひとりに寄り添ったサポートを徹底。